ミト対セロ
「おい、ゴブリン、お前が死ねばゴブリンの国もおしまいだな! うわはははは」
騎士は余裕の表情だ。それもそのはずである。ミトは見た目だけなら他のゴブリングリードと変わりない。ゴブリンジェネラルや、ホブゴブリンのように大きくはないのである。
騎士の挑発にミトは相変わらず静かに槍を片手にゆったりと構えている。
「舐めたやつだ!」
騎士は槍を上段に構えた。
「ほわあああああああっ!」
「オレの最大力の魔槍を受けてみろ!」
「フリードスピヤー」
騎士の放った槍はミトを直撃したと同時にミトの体は氷に包まれた。
「ははははははっ、所詮はこんなものか!」
騎士は全身が凍り付いたミトを見て、勝利を確信した。
「どれどれ、このままお前の体を砕いてやるわ」
騎士は再び槍を構えミトを貫こうと駆け出した。
その時であった!
「パリンッ!」
突如、ミトを覆っていた塊がはじけ飛んだ!
騎士は驚いて、ミトへの突進をストップした。
ミトは首を軽く「コキコキ」とならして、槍を数回肩慣らしのように振り回した。
「それだけか?」
ミトの冷たい声が響き渡った。
騎士はその声に全身が震えあがるのを感じた。
自らの恐怖を振り払うように騎士はミトに向かって槍による攻撃を開始した。
騎士の攻撃はまさに目にも止まらない速さである。彼は上司の顔色を見て出世したタイプではあったが、それでもセロ直属の親衛隊の1人である。実力は本物であった。ゴブリンジェネラル程度なら、この攻撃を防ぐことはできなかったであろう。
ミトは騎士の攻撃を1歩もうごかないまま、さぞ虫をはらうかの如く右手に持った槍で防いでいた。
「つまらんな!」
1分ほど騎士の攻撃が続いたとき、ミトが呟いた。
「・・・・・・」
騎士はわずか1分の攻撃で息が上がって、しゃべる気力もなかった。それだけミトのプレッシャー強かったということだ。
「おい、もういいぞ!」
セロが騎士の様子を見て、声をかけた。セロとしてはこの騎士が死のうが生きようが大した問題ではなかったが、これからのゴブリンの始末には人手は少しでもほしいと思っていたからであった。
「し、将軍! わ、私はまだできます!」
そういうと騎士は槍を上段に構え先ほどの魔槍術を繰り出そうとしている。
「馬鹿が!」
セロは騎士の行動を見て、吐き捨てた!
「フリードスピヤー」
騎士はミトに向かって魔槍を繰り出した。
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