ニッカ隊
ニッカ小隊は、その日の夕食で再び集合した。
「みんな、よくここまで無事にたどり着いた! お疲れ様!」
ニッカは小隊をねぎらった。
「みんな、今日は食べて飲んで疲れをとってほしい」
シュバ達はほぼ無言で食事をとった。
1時間ほど経ったころ、ニッカは再び小隊に向かって語りだした。
「今日をもって、一旦小隊を解散する」
シュバ達は突然のことで皆ニッカの顔を見た!
「オレはゴブリン城で戦っている騎士団に合流しようと思う! 出発は明日の朝だ、一緒に行くものは街の門のところに来てくれ!」
騎士団ではゴブリン城攻めでも人員を募集して、500人ほどの冒険者や傭兵が参加していた。
シュバのパーティーは食事会の後、集まった。
「シュバ、どうする?」
まだ騎士への未練があるクニが前のめりでシュバに語り掛けた。
「オレは迷ってる・・・・」
シュバは少し間をおいてから話をした。
「これまでダンジョンや街中でゴブリンや魔物と戦ってきたが、こんなに人が死ぬことはなかった・・・・正直戦争というものをなめていた気がする・・・・」
「それは、オラも感じているだよ」
デンがシュバに賛同した。デンはシュバ以上に多くの人の死にショックを受けていた。
「ただ一つだけオレがいえるのは、ニッカ隊長の提案に参加するにしても、しないにしてもパーティーがバラバラにならないということだけだ!」
シュバは全員の顔を見渡した。
「シュバ、そんなのあたりまえだろう!」
「んだ!」
「おう!」
「だな!」
メンバーはシュバの顔を見て、当然だと返した。
「はは、そうだな! オレは何を悩んでたんだろうな!」
シュバは安心したように軽く笑った。
「それだったら、オレは行くべきだと思う! ここで逃げたらシンに胸を張って顔を合わせられない!」
シュバは再びメンバーの顔を見渡した。みなシュバの提案の賛同してくれたようだ。
「おう!」
シュバ達は手を合わせて掛け声をあげた!
翌朝、ニッカは街の入口に一人立っていた!
いまだ、元ニッカ小隊のお誰もやってこない・・・・
「そろそろ行くか!」
ニッカは一人で出発しようとした、その時!
「隊長!」
シュバ達がやってきた。
「そうか! お前たちは来ると思っていたよ」
ニッカはなんだか嬉しそうだ!
その後ろを小隊のメンバーだった傭兵のコンがやってきた。
「オレも行く!」
新たなニッカ隊は7人で再出発することになった。
いつもお読みいただきありがとうございます。
誤字脱字もありがとうございます。