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挟撃

 テッツ率いる本隊700は2000のゴブリン軍に突撃を開始した。後方のゴブリンはわずか200ほどだ、冒険者100人もいれば楽勝だと判断した。


「所詮はゴブリンの浅知恵だ! 一気に蹴散らすぞ!」

 テッツはこの状況でもすぐにゴブリンを圧倒できると考えていた。


 ゴブリンたちは何やら、先ほどと違う動きをしている、それはすぐにわかった。ゴブリンたちは3体1組になって冒険者1人にあたってきた。


「なるほど、ちょっとは頭が回るな!」

 テッツはその統率された動きを見て、ゴブリンをやっと見直した。しかし、このレベルの冒険者であれば、時間はかかるがゴブリン3体は十分に相手できる数である。


 しかし、この時テッツは本当の意味でゴブリンたちの動きが変わっていることに気が付いていなかった。ゴブリンたちは確かに3体で1人の冒険者にあたっている。しかしゴブリンたちは決して無理に攻撃を仕掛けようとしてこない。すべてのゴブリンが防御に徹していた。

 

「なんだ、こいつらの動きは? 時間稼ぎ? 何のために・・・・」

 優秀な冒険者といえど、ひたすら防御に徹するゴブリン3体を倒すのは、そうそうたやすいものではなかった・・・・


 テッツがさらなる異変に気付いたのは、その時だった。

 後方の200体のゴブリン討伐にあたった冒険者の部隊から悲鳴が聞こえてきたからだ。

「うわあああああああああああああああああっ」

「逃げろ!」

「殺される!」

 それはまさに阿鼻叫喚であった。


 テッツはその悲鳴を聞いて後方を振り返った。冒険者たちが次々に吹き飛ばされていた。

その悲鳴の中心をみて、テッツの顔色は真っ青になった。

「あ、あれはゴブリンキングなのか・・・・」

 その存在さえ、伝説級の化け物といわれているゴブリンキングが冒険者たちを薙ぎ払っている。さらに、キングの他のゴブリンもすべてゴブリンジェネラルであった。


 砦にいたのはゴブリン軍第1大隊であった。後方にいたゴブリン兵200はカチン将軍率いるゴブリン国の精鋭中の精鋭カチン親衛隊である。

 このたった200のゴブリンだけで2000のゴブリン兵に匹敵した。ましてや、ミトを除けばゴブリン軍最強のゴブリンキングであるカチン将軍がいる。100人ほどの冒険者で勝てるはずがなかった。


 後方の100人はあっという間に蹂躙された。そのまま200の屈強なゴブリンが遊撃隊本隊の背後から襲い掛かってきた。


「半分の兵は後方に当たれ!」

 テッツはとっさに指示を出した。しかしこの時すぐに撤退の指示を出すべきであった。


 今まで防御に徹していた前方の2000の兵は突如、攻勢に転じた!

350人ほどでゴブリンとはいえ2000を相手にしなければならなくなった冒険者たちは、一人また一人と倒れていった。

 2000のゴブリン兵を率いていたのは、ゴブリン国が誇る天才軍師マグマグである!この一連の軍事行動はすべて、このマグマグの作戦であった。


前後から挟撃されたテッツ隊はあっという間に崩壊した。

「た、退却だー!」

 テッツが退却の指示を出した時、すでに遊撃隊は軍として機能していなかった。


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