ハジメの報告
シュバ達は、砦から十分に離れたところまでやってきた。
ハジメは砦での出来事について、話し始めた。
僕が見てきたことは、こうです。
「助けてください」
ぼくは、見張りのゴブリンに話しかけました。
「大丈夫か」
「中に入って休め!」
見張りのゴブリンはたいして理由も聞かずにぼくを砦の中に入れてくれようとしました。
そのとき、ホブゴブリンがやってきました。
「おいお前、怪しい奴だな!」
「あなたは僕のいたゴブリン村のリーダーですね!」
「あなたが、逃げたおかげで、ぼくはあの後大変だったんですよ!」
ハジメはホブゴブリンの痛いところをついてきた。
「おれは逃げたわけではない!」
「ええい、もういい中に入れ!」
ホブゴブリンは意外とあっさり通してくれた。
続けてハジメは、砦の中に入った後の話を始めた。
「入口に入ると中はゴブリンで一杯でした。ほとんどのゴブリンはただのゴブリングリードでした。ちらほら、ゴブリンナイトもみられました。奥へ進むと、集会所や食堂がありました」
「食堂の奥を覗くと、そこにはおそらく周辺の村から集めた食料が山積みされていました! 一応コックのような恰好をしたゴブリンが食堂や食料の倉庫を仕切っているようでした」
「さらに奥に進むと、指令室のような部屋があって、そこに行くと僕は追い払われたんですが、ゴブリンジェネラルが数体いたような気がします」
「砦の中をむやみに歩き回っていたので、さすがに怪しまれたので、そろそろ頃合いだと思い外に出てきました」
「その後は、おそらく皆さんが見ていたように、ホブゴブリンがボクにどこに行くんだと執拗に問い詰めてきて、攻撃してきたという流れになります」
ハジメは順序だって丁寧に説明した。
「ハジメ君、質問いいかね」
ニッカがハジメに丁寧に聞いてきた。
「われわれは、3000ほどのゴブリンが砦にいるとみているが、実際どうみるかね」
「正確な数はわかりませんが、少なくともということでいえば3000以上はいると思います 砦の中はかなりすし詰め状態でしたから!」
ハジメは正直に答えた。
「ゴブリンジェネラルがいたと君はいったが、キングはいたかね」
ニッカは真剣な表情だ。ゴブリンキングがいるといないでは、戦況が大きく異なるからである。
「砦の中は一通り見たと思いますが、キングはみあたりませんでした」
ハジメははっきりと答えた。ニッカはホッとした表情をした。
ニッカ達はゴブリンに気を付けながら、本部まで戻ることにした。
「やったな、ハジメ!」
戻る途中でイオはニッカの肩をずっと抱きながら誇らしげだった。自分の従魔であるハジメが活躍してよほどうれしかったのだろう。
そんなイオの姿を見てシュバやデン、クニも嬉しそうだった。
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