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潜入

「そろそろ、戻るとするか! 今回はあくまで偵察だからな」

 ニッカは、見張りの人数も把握したので戻ろうと提案した。


「ちょっと待てください」

 ハジメがニッカにいきなり声をかけた。

 ニッカはいきなり従魔でゴブリンのハジメから話しかけられて驚いているようだ。


「どうしたんだ、ハジメ! せっかく帰れるのに・・・・」

 イオが何か言いたそうなハジメを話し始める前に制止した。


「ハジメ、いいから話してみろ」

 シュバが、ハジメの話を促した。


「はい、ぼくは従魔といっても見た目も能力もゴブリンです。 いま、あの砦の中に潜入できるのはぼくだけです! ぼくに、あの砦に行かせてください!」

 ハジメは何でもないようなことのように、話しているが、ゴブリンといっても単独でいきなり砦に行けば怪しまれるのは間違いない。入口の見張りはあのホブゴブリンである。ハジメがいきなり殺されることもありえる。


「だめだ、ハジメ、危険すぎる」

 イオは絶対反対のようだ。


「確かに君の言うように砦の中の情報が得られれば、我らにとってはこの上なく有利になる! だがそのために、君に命をかけさせるわけにはいかない」

 ニッカもイオと同じく反対のようだ! シュバはニッカの話を聞いて意外に感じた。ニッカの立場なら当然に従魔のゴブリンのハジメを潜入させるはずだ。従魔とは、本来そういう使われ方をする!


「はじめ、お前はいけると思うのか?」

 シュバはハジメがいけるといえば、行かせてもいいと思った。シンならばそうすると考えたからだ。


「はい!」

 ハジメはまっすぐシュバの目を見て答えた。


「わかった、ハジメ! 頼む!」

 シュバはハジメの方に手を置いて、依頼した。


「お、おい君!」

 ニッカはいきなり小隊長の自分を無視して依頼したシュバに声をかけた。


「この小隊のリーダーはあなたですが、このパーティーのリーダーは今は私です。メンバーがいけるといえば私はその言葉を信じます!」

 シュバは年長のニッカに毅然と答えた。


「お、おいハジメ―」

 イオはただただ、うろたえていた。


「・・・・」

「君の言うことに納得したわけではないが、この戦において重要な局面だ! 私からもお願いする」

 ニッカはハジメに頭を下げて答えた。しかしシュバの言うことには、少し注意をした。当然である。いくらパーティーのリーダーといっても、今はダンジョン攻略をしているわけではない。偵察隊を預かるのはニッカであり決定権はニッカが持っていた。

 シュバも、そのことは重々わかっていながら、あえて話をしたわけである。

 

「はい!」

 ハジメは力強く答えた!


 その顔を見て、今やハジメの潜入を反対するものはいなかった!



 いつもお読みいただきありがとうございます。

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