遊撃隊就任
筋肉ブラザーズはシュバの魔法の威力を目の当たりにして声が出ないようだ。
「これで降参してくれないなら戦うしかないですね!」
シュバ、デン、クニ、イオ、ハジメは手のひらを筋肉ブラザーズに向けて魔法を放つポーズを決めた。
「えっ!」
「えええええええっ!」
「ちょ、ちょっと待って!」
筋肉ブラザーズはあわてて、シュバを止めた。
「どうしました、降参しますか?」
シュバはあえて、ドスの利いた声で尋ねた。
「そ、そんなー! 魔法なんて反則だよー」
筋肉ブラザーズは立会人の顔を見た。
立会人は、ダメって首を横に振った。
魔法や武器を使って戦うのは当たり前である。これは武闘大会ではなく戦争に行く兵隊の選抜なのだから!
「く、くそっ! わかった、降参する・・・・」
筋肉ブラザーズは戦うことなく降参した。彼らは知らないだろうシュバの魔法は1日1発しか使えないことを、シュバ以外のだれも魔法を使えないことを・・・・
しかし、これは兵隊の選抜である、はったりもまた作戦なのである!
「シュバ組!」
立会人がシュバ達のパーティーの勝利を宣言した。
「やったー!」
シュバ達は抱き合って喜びを分かち合った。
「ちょっと待て、シュバ組って何なんだ?」
クニがシュバに突っ込んだ!
「いや、おれたちのパーティーネイムは特にないから、名前だけ書いたからな・・・・」
シュバはあまり気にしてないようだ。
「おい、名前つけようぜ!」
イオが名前を考え出した。
「ちょっと待て!」
「名前を付けるのはいいが、シンが帰ってから一緒に考えないか!」
シュバは焦って、イオを止めた。
「そ、そうだな・・・・そうしよう!」
「んだ!」
イオ達も納得したようだ。
そんな話をしていると立会人がシュバのところにやってきた。
「君たちは、これで正式なゴブリン討伐軍の遊撃隊メンバーだ! おめでとう!」
「あっちで正式登録して夕方から始まる決起集会に参加してくれ!」
立会人は淡々と説明していく、いったい何度同じ話をしたのだろう。明らかに彼の顔は疲れ切っていた。
「ありがとうございます」
シュバ達はテントに戻り夕方まで、一休みすることにした。
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