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筋肉ブラザーズ

 翌日の昼になって、ようやくシュバ達のパーティーの対戦順が回ってきた。

「やっとだな! おれたちの相手はどんな奴だー」

 クニは対戦票を確認した。

「筋肉ブラザーズ? なんだ、このふざけた名前は!」

 シュバは嫌な顔をした。


「ふ、ふ、ふ、泣く子も黙る筋肉ブラザーズとはおれたちの事さ!」

 160cmの背丈ながら、全身の筋肉はボディービルダーのような筋肉のだるまのような4人組が現れた。

「ゴブリンもおれたちの筋肉を見たら逃げていくぜ!」

 シュバはこの4人がなんだか、苦手だった。


「次の対戦者は集まってくれ!」

 シュバ達の番が回ってきた。


「いくか!」

 シュバ達は対戦会場に向かった。

 先ほどの筋肉ブラザーズはすでに横並びに並んでいる。


「いいか、お互いをできるだけ、殺さないように気をつけろ! 万一死んでしまった場合は関知しない! 自己責任だ」

 係官はかなりアバウトなルール説明をした。

「はじめ!」

 いきなり始まった。人数が多いため、流れ作業のようだ。


「おれたち、筋肉ブラザーズ!」

 対戦相手がパーティー名を叫んでそれぞれ自慢のポーズを披露している。


「みんな、ちょっと話がある、こっちへ・・・・」

 シュバは対戦相手の決めポーズ披露を無視してデンたちを集め小声で作戦を伝えた。

 シュバ達のフォーメーションは前衛は中央にシュバ、両脇にデンとクニ、イオとハジメが後衛だ。

 この対戦は相手を殺さずに自分たちの強さを見せなければならない。意外と戦い方が難しい・・・・


「どうだ君たち、この筋肉を見て、降参する気になったかね!」

 相変わらず、自慢のポーズを次々と披露している。


「君たちは筋肉が自慢のようだが、おれたちは魔法が自慢だ! 君たちの筋肉は十分見せてもらったから今度はおれたちの魔法を見てくれないか!」

 シュバは筋肉ブラザーズに呼び掛けた。


「そうだな、お互い見せあわないとフェアーじゃないな!」

「それじゃあ、君たちの筋肉じゃなかった、魔法を見せてくれないか」

 筋肉たちは案外いい奴らで、笑顔で了承してくれた。


「ありがとう! それじゃあ見てもらうけど、君たちに魔法を放つと君たちを殺してしまう! だからあの岩に魔法を撃つよ!」

 シュバは対戦会場の横にあった直径3メートルほどの大岩を指さした。


「了解した! 私たちの筋肉なら、魔法もはじき返してしまうが、君たちがそういうなら岩を見ていよう!」

 筋肉たちは余裕の表情だ!


「それじゃ!」

 シュバは魔法を唱えた。

「ブラックボール改」

 シュバの手のひらに黒い玉ができた。シュバはその玉を大岩に投げつけた。

「スパッ!」

「ガサササッ」

 黒い玉は大岩を貫通してその後ろにあった木も倒してしまった!

「どうですか!」


「・・・・」

 筋肉たちは口を開けて固まっている。


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