屋台
遊撃隊選抜試験は、紆余曲折を得て何とか始まった。2千人全員が参加するため、翌日から2日間かけて行うことになった。シュバ達はレンタルテントを借りて、とりあえず試験まで待機することになった。
「おいシュバ、このテント広いな!」
イオははしゃいでテントの中をゴロゴロしている。
テントは10人は眠れる大型のものを借りた。中には寝袋もあった。
「まずは腹ごなしだな!」
クニはなんだか張り切っている!
商魂たくましい商人が、いろいろな屋台を出している。
「おーい、これ美味しいぞ」
デンはさっそく何か食べている。
「それなんだよ、美味しそうだな」
クニは先を越されて、少し怒っていた。
「何かはわからないが、いろんな種類の肉を串に刺して焼いてあるぞ! 味も濃いし美味しいぞ!」
よく見ると何かわからない怪しいものを出している屋台が目につく!
「よし行くぞ!」
クニとイオは屋台に走っていった。
「シュバはいかないのか?」
デンは一向に屋台に向かわないシュバに尋ねてみた。
「オレはこの持ってきたパンでいいから・・・・」
シュバはなんだかんだいっても、おぼっちゃまであった。なかなか庶民の味に馴染めないようだ。
「ほれ、シュバ! 買ってきたぞ!」
クニが怪しい串焼きをシュバに手渡した。
シュバは勢いで受け取ってしまった。
「うまいぞ! 食べてみろよ!」
シュバは恐る恐る口にしてみた。
「う、旨い!」
やはり食べてみても何の肉なのかはわからなかったが、ソースの味が絶妙でたまらなかった。
シュバはもらった串を一気に食べてしまった。
「おっ、シュバ腹減ってたのか! 後は自分で買って来いよ!」
クニは両手に串役をいっぱい持って、そういった。今持っている串焼きは自分の物らしい。
クニにいわれて、シュバは屋台の前をぶらぶら歩いている。
「おい兄ちゃん、これ食ってみろよ!」
屋台のおじさんがシュバに試食を勧めてきた。
小麦粉のようなものをあげた中に何かが入っている。
「う、旨い!」
やはりなんだかわからなかったが、とてもおいしかった。
「これください」
シュバは、謎の団子のようなものを購入して貪った。
シュバはその後も屋台を回って、さんざん色んな不思議食材を食べた。
「こういうものも、いいものだな」
シュバはテントに帰ってきて、クニに呟いた。
「そうだろう!」
クニはシュバを見て、にっと笑った。
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