再会
「ドンテル? 貴様ドンテルなのか?」
「だからそういっておるだろうが、相変わらず飲み込みが悪い爺だな!」
ドンテルはにやにやしながら話した。
「その口の悪さは、ドンテル! しかし、そなたリスとは!」
「わははははっはははっはははっはははあっはははははっはっはははは!」
「大方、例の光のせいで、その姿になったのであろう」
シュバインは、とてもうれしそうに大笑いした。
「爺はさらに薄汚れた爺になったな」
まるで子供のケンカである。
「二人が知り合いだってことはわかりましたから仲良くしましょうね!」
マルオはあきれ顔で二人を諭した。
「そうじゃな、かわいいリスをいじめてもかわいそうじゃしな! わはは! こやつは以前はライオンの姿をした獣王と恐れられた魔王軍きっての魔人じゃったな、たしか! うふふふふ!」
シュバインは笑いが止まらなかった。
「この爺、いつか殺してやるー!」
ドンテルはかわいいリスの姿で悔しがった。
そんなやり取りが、かれこれ1時間は続いたころ
「ときに、そなたらはどこに向かっておるのだ」
ドンテルが尋ねるので、マルオはようやくこれまでのこと、今どこに向かっているのかをドンテルに話した。
「また面妖な話だな! まあよいマルオの行くところ、どこへなりと供をしようではないか!」
ドンテルは自信満々に答えた。
「お前が来ても、足手まといになるだけではないか」
シュバインがドンテルを馬鹿にすると
「おいぼれ爺よりはずいぶんとましじゃわい」
またシュバインとドンテルのやり取りが始まってしまった。
マルオはあきらめて、森の中に木の実を取りに行くのだった。
1時間ほどたったころマルオが戻ると、どうやら二人のどうでもよいけなし合いは終わったようで
「マルオ、待っておったぞ! 早速出発だ!」
ドンテルは偉そうに言うと、マルオたちの前をさっそうと歩きだした。
「で、どちらにいくのだ?」
「もうよいからお前はまるちゃんの肩の上にでものっておれ!」
シュバインは息を切らせながらドンテルを蹴飛ばそうとした。
ドンテルはするりとかわし、マルオの肩の上にのった。
「さあ。今度こそ出発だ!」
マルオは疲れた様子で、ゆっくりと歩き出した。