表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
206/350

問題発生

 シュバはイオからハジメをはぎ取り、様子を確認してみた。

 小さな擦り傷はあったが、大きなものはなかった。おそらく打撲による衝撃で気絶したのだろう。

「ハジメ! ハジメ!」

 シュバはハジメの頬を軽くはたき、声をかけた。


「ん、うーん」

 ハジメは意識を取り戻した。


「ハジメ! 大丈夫か?」

 シュバはハジメに声をかけた。

 

ハジメは自分の体を軽く確認した。

「はい、大丈夫なようです!」

 ハジメは無事だった。


「ハジメ―!」

 ハジメの無事を知ったイオは再びはじめを抱きしめ号泣した。


 ハジメの無事を確認したシュバとデン、クニは再び屋敷の中を確認した。

「やはりこの屋敷にはゴブリンはいないようだな! まだゴブリンが村にいるかもしれない。他の家を確認するぞ!」

 シュバはデンとクニを連れて、屋敷を出ようとしたとき何人かの人影が見えた。

 

「ありがとうございます。私たちは、この村の住民です。助けていただき感謝します」

 村人たちは深々と頭を下げた。


「この村にまだゴブリンはいますか?」

 シュバが尋ねた。


「いえ、皆さんがゴブリンをすべて退治していただき、今この村にはゴブリンはいません」

「私はこの村の村長です。皆さん、お疲れでしょう・・・・どうぞ私の家に来てください」

 村長の案内でシュバ達は村長の家に向かった。

 村長の話でわかったことだが、ホブゴブリンは宿屋に隠れていたようだ。シュバ達を襲撃した屋敷はもともと村長の家だったが、ゴブリンたちが来てからは、ゴブリンのたまり場のような場所になっていたとの事だった。


「村長、ゴブリンを倒したといっても、ボスであるホブゴブリンは逃がしてしまった。申しわけない」

 シュバは頭を下げた。


「いえいえ、私どもも、恐怖で奴らに逆らうことなく奴隷に甘んじてしまいました。本当に恥ずかしいことです・・・・」

 村長は自分たちを恥じているようだ。


「これから、どうされますか?」

 シュバは村長に質問した。返答次第ではしばらくこの街の守護をしようと考えていた。

 

「この村は最前線に位置します。我々がここに残れば、また奴らの餌食になるだけです! 我々は王都に向かおうと思います」

 村長はしっかりと考えているようだ。


「しかし問題が一つ・・・・」

 村長は深刻な顔をした。


「ゴブリンの子どもを身ごもってしまった娘が・・・・」

 村長はそれ以上話せなかった。

 非常にまれなことであるが、人間がゴブリンの子どもを身ごもってしまうことがある。その子はゴブリンヒューマンとして、見た目も中身もほぼ人間と変わらない状態で生まれてくるが、多くの場合差別的な風習で人間社会では暮らせない・・・・


 シュバはしばらく黙って考えていた。

「村長、もしその娘が嫌でないなら、オレに、その娘を預けてもらえないでしょうか?」


お読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ