表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
201/350

ハジメの初めての仕事

 イオとハジメは、家の外で見張りをしていた。

「ハジメ、お前が仲間になってくれてオレはうれしいよ」

 イオはまだ泣いている。


「ぼくもイオさんの従魔になれてうれしいです」

 ハジメはニコニコしていた。


 そのとき、シュバ達が家から出てきた。

「おい、お前たち、話してないでしっかり見張りしろよ」

 シュバはイオとハジメの頭をグシャッと握り、気合を入れた。

「痛いなっ! 大丈夫だよ」


「!!」

 シュバは、数軒隣の家の窓で、ゴブリンの姿が目に入った。

「動くな!」

 シュバは見られていないか、警戒したが、何も動きがないため大丈夫なようだ。

「次はあの家だ」

 シュバ達はゴブリンの家の近くに移動した。

「ハジメ、この家にはゴブリンがいるが、人間も一緒にいることもあるのか?」

 シュバは小声でハジメに質問した。


「はい、人間を召使として同じ家に住まわせていたりします」

 ハジメはもうしわけなさそうだ。


「ハジメ、お前に頼みがある! この家に尋ねて行って、中の様子を確認してきてくれないか」

 シュバはハジメに真剣な目で頼んだ。


「お、おいシュバ! それは危険じゃないか!」

 イオはハジメとシュバの会話に割り込んだ。


「わかりました。やってみます」

 ハジメは何の迷いもなく了承した。


「お、おいハジメ。無理するな!」

 イオはハジメの肩を掴んで止めようとした。


「いえ、イオさん。 私は強い魔物ではないので、こういうことくらいしかできません。ぜひやりたいです」

 ハジメは自らの存在意義を見出していた。


「そ、そうか、ハジメがそんなにいうのなら・・・・」

 イオはしぶしぶ了承した。


「トントン、トントン」

 ハジメは静かに家のドアをノックした。


「どなたですか」

 人間の女子が扉を開けた。

 女性は扉を開けるとゴブリンがいたので、少し驚いたようだが、すぐに中のゴブリンを呼びに行った。

 ハジメはその隙に家の中に入った。


「キ、キイキキキキ」

「キキキキキキキ」

「キキキキキキー」

 ハジメはしばらくして、家から出てきた。

 シュバは家の中のゴブリンにわからないようにハジメを呼び寄せた。

「どうだった?」


「はい、家の中にはゴブリンが2体と、人間の女性が2人いました」

「1人のゴブリンは寝ているようです」

 ハジメは淡々と答えた。


「怪しまれなかったのか?」

 シュバはハジメの肩をもって真剣な顔で話をしている。


「はい、寝る場所がないのでここで寝てもいいかとお願いしたところ。だめだ、外で寝ろと追い出されました」

 ハジメは仕事をしっかりとこなすことができて満足していた。


お読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ