村への侵入
ハジメはシュバ達に頭を下げられて恐縮しながら話した。
「申し訳ないです。そうではありません。ぼくはまだここに来たばかりで、どれくらいゴブリンがいるか知らないのです。」
「それに、おそらくぼくはここで一番下っ端なので、誰も何も教えてくれません。お前は掃除でもしとけと言われて、ゴミを拾ってました・・・・」
ハジメのはなしをきいて、シュバは情報を何も得られないと思いがっかりしていた。
「おおーっ、苦労したんだな! わかるぞ、はじめーっ」
イオはハジメに同情して、号泣していた。
「シュバ、ハジメという新たな仲間も増えたことだし、ここは当初の予定通り!」
クニはシュバの顔を見て話した。
「ハジメ、一つだけ聞く! お前は俺たちがゴブリンや魔族を殺すことをどう思う?」
シュバはハジメの目を見て質問した。
「ぼくは、イオさんの従魔です。 イオさんの行動でぼくが反対することはありません」
イオはシュバとイオの顔を交互に見て答えた。
「よし、わかった。ハジメも含めた5人で村に潜入する」
「ハジメにも、協力してもらうことになる。よろしくな!」
シュバはハジメの肩を強めに叩いて歓迎した。
「よろしくなハジメ!」
「よろしくだよ!」
クニとデンも強めな歓迎をした。
その姿を見て、イオは感動の涙を流していた。
イオは自分の子どもを見るかのようにハジメを見ていた。
5人は村の入口から慎重に村に潜入した。
「端の家から、1軒1軒行くぞ!」
シュバは一番端の家のドアを開けようとした。
鍵がかかっている。
「トントン、トントン」
シュバはドアを静かにノックした。
ゴブリンならいつでもやれるように剣を抜いている。
しばらくして扉がゆっくりと開いた
「がばっ」
シュバは扉が開いた瞬間に家の中に転がり込んだ。
扉を開けたのは人間の50代くらいの女性だった。
物音を聞いて女性の夫と思われる男性がやってきた。
「な、なんだお前は・・・・」
男性は声を出しかけたが、シュバはすぐに男性の口を押えた。
女性はシュバに続いて入ってきたデンとクニにより抑えつけられている。
「すみません、手荒な真似をして、私たちはこの村をゴブリンから解放するためにやってきた冒険者です」
「手を放すので、声を出さないでください」
シュバは小声では話しながら、ゆっくりと男性から手を離した。デンとクニも女性から離れた。
「迷惑だ、すぐに出て行ってくれないか!」
男性は小声ながらも強い口調でシュバに話しかけた。
「もうしわけないですが、住民の方に何と言われようが、私たちは討伐を続けます!」
「この家にゴブリンがいないことを確認したら、この家からはすぐに出ていきます」
シュバは事前に住民の反応は予想できていたので、慌てずに対応していた。家の中には2人の子どもが寝ていただけでゴブリンの姿はなかった。
「私たちは、これで出ていきますが、騒いだり、どこかに知らせたりはしないでください」
シュバは最後に男性に確認した。
「それは大丈夫だ、だが必ず失敗する! やつらに見つかる前に出て行ってほしい」
男性はこれまでのトラウマが大きいようだ。
「・・・・」
シュバ達は何にも言わず、慎重に家の外に出たのであった。
今回で200話達成です。
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