子どもとリス
いつものようにマルオとシュバインは食料調達のため、人里へ向かっていた。まもなく村の入口というところで二人は足を止めた。
「わーい、わーい!」
「ツンツン」
数人の子どもたちがリスのような小動物をからかって遊んでいた。
「面倒だが、少し迂回するか」
シュバインは子供たちに会うのを避けようと提案した。
「いや、少し待っててください」
「えっ、マルちゃん?」
マルオは子供たちの前までゆっくりと歩を進めた。
「小さな動物をいじめてはいけない!」
そういうとマルオは被っていたフードをとった!
それを見た子供たちは
「うわっーーーー、化け物だ!」
子どもたちは慌てふためいて、叫びながら村に走っていった。
「まるちゃん、何やってるんだ! 村人が戻ってくる前に逃げるぞ」
シュバインはマルオの手を取り、駆け出した。
1時間ほど走ったところで、シュバインはマルオに言った。
「お前何考えてるんだ! おかげで今日の晩御飯がなくなってしまったぞ」
「晩御飯なら、ここに」
マルオは以前とっておいた木の実をシュバインに差し出した。
「はあーーーー」
シュバインは文句を言いつつもマルオの差し出した木の実をとって食べだした。
その時、二人の前に1匹のリスが現れた。
「お前はさっきの!」
マルオに助けられたリスがマルオたちの後をついてきていた。
「おお。今日の晩飯がやってきたぞー」
シュバインは歓喜した。
「だめですよ、シュバちゃん!」
「こんなところにいたら、悪い人間にまたいじめられよ!もっと森の中に行くんだ」
マルオはリスを森の奥に帰そうとした。
「われは、お前に助けられた! この恩を返すまでそなたについていくぞ!」
「うわーっ」
突然リスに話しかけられたマルオは尻もちをついてしまった。
「シュバインも、久しいの。相変わらず、いやな爺いだな!」
「われの名はドンテル。元魔王軍第1軍団長だ」
「はあーーーーっ!」
シュバインはリスを3度見してしまった。