はじめてのお散歩
あれから何日たったのだろう。毎日、緑の化け物からむりやりおっぱいを口に押し付けられている。その度に、何故かわからないが無我夢中でおっぱいを飲んでしまう。これは何かの拷問なのか。
そんなある日、いつものように無我夢中でおっぱいを飲んでいると
「まるおはママのおっぱいが大好きね!」
「????」
「ん?」
今何か重大な言葉を聞いてしまった!
「まま?」
「ええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!」
心のどこかでうすうす、そうではないかと疑ったいたかもしれないが、決定的な「ママ」という単語を聞いてしまった
オレはこの緑の化け物の子供なのか!
おれ自身も手足が緑!
ひょっとしたらと思いながら、認めたくない自分がいた。
それから数日の記憶はない。オレは自分の置かれた状況が受け止められずにいた。
1ケ月が過ぎたころ、いつものルーティーンのおっぱい貪り作業を終え、「ママ」と名のる緑の化け物がオレに語り掛けてきた。
「そろそろマルオも大きくなったし、お外でお散歩できるかしら」
「!!!!」
「外へ行くって?」
薄暗い部屋の中でただひたすらおっぱいを飲んで寝てばからりいたオレにとって大きな変革の時が来た。
「さあ、マルオ行くわよ」
オレは緑の母親に抱きかかえられ1カ月を過ごした部屋を出た。さらに薄大暗い長い通路を1分ほど進むと、大きな広間のようなところに出た。
中央には井戸があり大きなドーム状の天井だ、大きさにしてテニスコート2面分ほどになるだろうか。
「さあマルオ歩いてみなさい」
緑の母親はおれを床に降して、ささやいた。
おいおい、1カ月おっぱい飲んで寝ていただけのオレに、おれになんてことを言うんだ!
そんなことを心の中で呟いていると、オレはあることに気が付いた。
オレは自分の足で立っていた!もしかして!
まさかと思いながらオレは足を1歩前に踏み出した。さらにもう1歩!
「歩ける!!」
「いや、歩いている!!」
信じられないがオレは自分の足で自由に歩くことができた。興奮気味に歩くことを担当していると目の前に井戸があった。
これまで緑で醜い母親をみてきたが、1カ月いた部屋には鏡がなくおれ自身の顔を見ることはできなかった。
井戸の水面なら、おれの顔を見ることができるんじゃないか!自分の姿を確認することは、怖い。怖いが確認せずにはいられない。
オレは1歩1歩と歩を進め、水面を恐る恐る覗き込んだ。
「ギャーーーーーーーーーーーーっ」
オレは叫んだ!
そこには緑の母親に勝るとも劣らない醜い緑の化け物がいた!
「マルオどうしたの?」
あまりに大きな声で叫んだオレに緑の母親が駆け寄ってきた。
予想はしていたが、あまりの衝撃の事実にオレは腰を抜かしていた。
「まあどうしたの大きな声だったわよ」
おれの声を聞きつけて駆け付けたようだ。
「うちのマルオが自分の顔を見てびっくりしちゃったみたい」
緑の母親が、その声のほうに応えた。そこには緑色では、あるが美しい女性が立っていた。
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