ゴブリン村
シュバ、デン、クニ、イオの4人はゴブリンに占領されている小さな村の近くに来ていた。この村はゴブリンが攻めてきて、すぐに白旗をあげてゴブリンの奴隷として生きていく道を選んでいた。
小さな村では、そもそも戦えるような戦力はほとんど皆無で苦渋の決断であった。
「シュバ、見張りは2人のようだな」
すでに冒険者登録を済ませた、クニがシュバと話している。
デンは格闘家、クニは剣士になった。2人はまだレベル1である。
「1人はオレがやる、もう一人はクニとデンで何とかしてくれ! イオは見張りだ」
シンがいない今シュバはリーダーとしてパーティーを率いていた。
「あいては、ゴブリンだ! オラとクニでもなんとかなるだ」
デンは頼りになる兄貴的な存在である。
3人はこっそりとゴブリンの死角から近づいていく。
「ザシュッ」
シュバは一刀のもとゴブリンの首をはねた。
シュバは今ではゴブリン程度では、魔法を使うことなく剣で倒せる程度には強くなっていた。
「あっ!」
シュバに仲間が倒されて声を出そうとしたゴブリンの背後からデンがゴブリンの口をふさいだ。
「んっ、んんんっ!」
暴れるゴブリンをデンは体を張って抑え込んでいる。
「ドスッ」
「バシュッ」
「シュッ」
デンによって押さえつけられているゴブリンの腹をクニが何度も刺し続けた。
最初、痛みで暴れまくっていたゴブリンだったが、やがて力なく手足がぶらぶらと足れさがった。
「もういい!」
横で見ていたシュバがデンとクニに伝えた。
「見つからないように茂みに隠すぞ」
4人はゴブリンの死体を手分けして丁寧に茂みに隠した。
「これくらいでいいだろう」
4人は街の中にいるゴブリンに見つからないように、警戒しながら街の中心に向かった。
通常このような小さな村にはゴブリン5~10体程度が支配している。運がわるければ、その中にホブゴブリンが存在することもある。
シュバは村の中心部に存在する小さな家の窓に近づいた。窓から中の様子を見ると、母親らしき女性と小さな子供が2人いるようだ。
気づけれないように、玄関まで移動し、シュバは家の中に入った。
「きゃっ」
突然の侵入者に女性は声をあげた。子供たちもびっくりして固まっている。
「ばんっ」
続いて、クニ、デン、イオの3人も素早く家の中に入ってきた、ゴブリンには気づかれていないようだ。
「ちょ、ちょっとなんなんですか、あなたたちは!」
女性は小声ながらきつい口調でシュバに声をかけた。
「私たちは、冒険者です! この村をゴブリンから救いにやってきました」
シュバはタン的に自分達の身分と目的を伝えた。この辺りは、シュバもずいぶんと手馴れてきたようだ。
「迷惑です! すぐ村から出て行ってください」
女性はシュバ達の予想に反して、シュバ達の訪問を歓迎していないようだ。
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