シンと天使リコ
天使リコに連れ去られたシンは天界にいた。
「シン、目が覚めたか?」
リコは無表情でシンに話している。
「ここは?」
シンは、何が何だか戸惑っているようだ。
「ここは天界の外れにある孤島です」
「私は天使リコ」
シンは思ってもいない言葉が飛び出し、頭が真っ白になった。
「突然のことで戸惑っておりと思いますが、私はあなたをずっと見守ってきました」
リコはシンの目をずっと見て話している。
「オレはこんなところにいるわけにはいかない! 早く街に戻してくれ」
シンはゴブリン司令官のまだ戦うつもりのようだ。
「残念ながら、すでに街はゴブリンの手に落ちてます」
「住民は無事避難したようですが」
リコは事実をありのまま伝えた。
「そ、そんな・・・・」
シンはショックを受けてそれ以上言葉が出なかった・・・・
「あのまま、あなたが司令官と戦っていても敗れていたでしょう」
リコははっきりときついことをいうようだ。
「・・・・、やってみないとわからない・・・・」
シンは頑張って、言葉を振り絞った。
「司令官ミトは、悪魔の力を借りている。今のままでは、勝てない」
リコはシンの肩に手を置いて話を続ける。
「私が、お前の力を引き出してみせる。お前にはまだまだ、秘められた力がある」
「ゴブリンに限らず、悪魔にさえ対抗できるだろう」
リコはシンを抱きしめた。
シンは体中が暖かくなるのを感じた。
「お前の仲間達は、皆無事だ」
「彼らを守るためにも、お前は強くならなければならない」
ミトの言葉には力があった。
「・・・・」
「オレは本当に強くなれるのか?」
シンはリコの目を見て話した。
「それは保証しよう」
「お前は私よりも、強くなれる!」
リコはしっかりシンの目を見て言葉を返した。
「わかった。よろしく頼みます」
シンは深々と頭を下げた。
「任せろ」
こうしてリコによる壮絶なトレーニングが始まることになった。
リコは自らの命をかけていた。人間を天界に連れてくることは絶対的に禁止されていた。
このことが大天使ラファエルの耳には入れば、確実にリコは消滅させられる。
天使リコの目は、命をかけた、絶対的な決心が宿っていた。
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