表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
183/350

シンを探して

 シュバ、デン、クニ、 イオは避難した住民とともに聖騎士に守られ王都を目指していた。

「そなたたちは、避難民として王都にて保護する。街を守れなかったのは残念だが、避難してきた住民は我らが必ず守ってみせる」

 騎士団長は、大司祭の子息であるシュバに語った。


「われらの仲間であるシンが行方不明です。私たちは王都に住民を送り届けたのちは、再びシンの捜索を続けます」

 シュバは涙をこらえている。


「お気持ちはわかりますが、おそらく彼は・・・・」

 聖騎士団長はそういうと、テントに戻っていった。


 ゴブリン軍の追撃をかわしながら、街から逃げ出して3日ほどである。

 住民を守る聖騎士たちにも疲れの色が色濃くみえている。


 2週間後、一行は王都郊外の避難民受け入れ地に到着した。


「聖騎士団長殿、それではわれらはここで失礼します。住民たちの事、くれぐれもよろしくお願いいたします」

 シュバは深々と頭を下げて、王都を去った。


 再び、街に向かったシュバ達であったが、周辺の村々はゴブリン軍に占領され、街どころか、その近辺の村に近づくのも容易ではなかった。


「シュバ、このままここにいれば、おれたちの命も危ない。シンのことは一旦諦めるしか・・・・」

 デンはクニ、イオの気持ちを代弁してシュバに語った。


「・・・・」

 シュバは唇をかみしめていた。


「わかった。ダンジョンに向かおう。イオの宿屋に!」

「もはやシン自身も街に戻ることはできない。今行くとしたら、あの宿屋しかない!」

 シュバ達はダンジョン都市アプロンドのイオの宿屋に向かった。

 ゴブリンたちの村を避けるため、大きく迂回する必要があったため、戻るのには2カ月を要した。


「おう帰ったぞ!」

 イオは元気よく声をかけた。


「おそい!」

「スパッ!」

 青髪嫁はスリッパでイオの頭を思いっきりはたいた。


「痛っ」

「いきなりなにすんだよー」

 イオは頭を抱えて文句を言っている。


「お帰り」

 次の瞬間、青髪嫁はイオを抱きしめた。

 イオもまんざらではないようで、顔を真っ赤にしている。


「イチャイチャしてるとこ悪いんだけど・・・・」

 シュバが青髪嫁に声をかけた。


「あ、ああシュバも、お帰り!」

 青髪嫁の目には涙がたまっていた。


「シンは、シンはいるか?」

 シュバは声を荒げて尋ねた。


「えっ? シン、一緒じゃないの?」

 青髪嫁は、シンがいないことに驚いている。


「そ、そうか、シンは来ていないのか・・・・」

 シュバは肩を落としがっくりしている。

 デン、クニ、イオも一気に暗い顔になった。


「ちょ、ちょっと・・・・」

 いつも元気な青髪嫁も、どう声をかければわからなかった。


お読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ