巨大ワニとの戦い
聖騎士団とシン達パーティの会議の結果、戦力を集中して敵の指揮官を倒すことになった。
その前提として、いつでも連絡がすぐ取れるように、遺跡と町を結ぶ通路の巨大ワニを倒すことが、最初の作戦行動と決まった。
ワニの討伐はシン、シュバ、それに副聖騎士長、聖魔導士長の4人となった。
「通路に行くのは明朝とする。それまでは体を休めてくれ!」
シンは母親に会いに行くことにした。
イオやデン、クニもついてくるというので一緒に行くことにした。
「母さん、ただいま! 今戻ったよ!」
シンは元気よくあいさつした。
シン達は夕食を囲みながらこれまでのダンジョンや仲間達の話をした。
話は尽きなかったが、明朝の出発のため、シンは早々に眠りについた。
いまだ、夜も明け切らない早朝、シンはシュバのいる屋敷に向かった。
イオやデン、クニはまだ寝ているようだ。
「シン、気を付けてね!」
家の玄関を出たところで母がシンに声をかけた。
「ありがとう、またすぐ帰ってくるから!」
シンは久しぶりに温かい気持ちになった。
屋敷につくと、すでに準備万端のシュバや副聖騎士団長達が、シンを待っていた。
「準備はいいか?」
シュバがシンに尋ねた。
「ああ、オレはいつでも準備万端さ!」
シンは笑顔で答えた。
4人は聖騎士団長や大司祭に見送られながら、屋敷を後にした。
「この通路に入ると、何処にいるかわからないので注意してください」
シュバが初めて入る服聖騎士団長達にアドバイスをしている。なんだか、いつにもまして頼もしいなとシンはシュバを見ていた。
やはり腰まで水に浸かっている通路を4人はすすんだ。
シン達の殺気に気づいたのか巨大ワニはなかなか姿を現さない。
このままでは、遺跡の方まででてしまう、そう4人が思っていた時であった。
「ガブッ」
天井から巨体が降ってきて、4人はパニックになった。
「大丈夫か?」
副聖騎士団長が声をかけたとき、聖魔導士長の上半身はすでにかみ切られていた。
上半身を失った、聖魔導士長の下半身からは大量の血が噴き出ている。
「な、なんで天井から・・・・!」
シン達はまさかの攻撃に完全に浮足だっていた。
「ザザッ!」
巨大ワニの第2撃が、シュバに襲い掛かった!
「させるか!」
副聖騎士団長がシュバの前に出て巨大ワニの攻撃からシュバを救った。
シュバは九死に一生を得た。
「ボタボタボタッ」
聖副騎士団長の右肩から先が巨大ワニにかみ切られていた!
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