1年前
「たしか、こっちの方だ」
シュバは遺跡の奥の方にどんどん進んでいく!
「お、おい! どうしてこんな場所を知ってるんだよ!」
イオが遺跡の雰囲気のドキドキしてシュバに問いかけた。
「ああ、ここは昔オレとシンがトレーニングしてて、たまたま見つけたんだ」
シュバはどこか、すっきりしない様子だ。
「あ、あったぞ!」
シュバは遺跡の入口のような穴を指さしていた。
「い、いや、まさかここに入ってくんじゃ?」
イオだけでなくデン、クニも引いているようだ。
「ま、まあ入っていくぞ!」
シュバは袋に用意しておいた松明に火をつけて中に入っていった。
「さあ、行くぞ!」
シンは腰が引いてシュバについていかないイオ達を、半ば強引に引っ張っていった。
中に入ると小さな入り口だった割には天井高は高く、広い空間があった。
「おお、意外と広いな!だけどなんだかじめじめしてるな・・・・」
遺跡の中は常にしめっていて、小さな虫や小動物が少なからず、壁を徘徊していた。
イオ達は、その雰囲気に縮みあがっていた。
「まあ、ここら辺はまだ大丈夫だから・・・・」
シンは安心させるように、ふと呟いてしまった。
「ちょ、ちょっと待て! この辺りはいいって、どういうことだ? 十分ひどいところじゃないか」
普段あまり愚痴をこぼさないクニがシンの一言に食いついた。
「ああ、この先は、ひざ下まで水に浸かっててな! その先がちょっと・・・・」
シュバが言いにくそうなシンの代わりに答えた。
「・・・・」
「それだけか?」
クニが何かを察して、迷ったようだが聞かずにはいられないようだ。
「ま、まあちょっとやばい奴がいるかもしれない」
シンはやはり言いにくそうだった。
「や、やばい奴って?」
イオが震えながらきいている。
「実はオレたちも詳しくはわからないんだ! その時は必死で逃げてきたから・・・・」
シンは正直に答えた。
「それって、いつのことだよ?」
クニが続けてシンに聞いた!
「たぶん、1年位前だったかな・・・・」
シンが小声で答えた。
「そうか1年前だったら、今はいないかもしれないな・・・・」
クニもかなり小声だった。
「ま、まあ、その時に比べたら、オレもシンも強くなってるし、大丈夫だと思うぞ」
シュバの声は震えていた。
5人は不安を抱えながら遺跡の奥に進んだ!