帰路
手紙を受けたった翌日、シン達は宿屋をチェックアウトした。
「世話になったな! 落ち着いたらまた、戻ってくるから」
シン達4人は青髪ママとイオの赤髪嫁に挨拶した。
イオはその横でシン達を見送るためぼーっと立っていた。
「また戻ってくるんだよ!」
赤髪嫁は涙を流しながら見送っている。
ふと、隣で間抜けな顔をして手を振っている旦那が目に入った。
「あんた、こんなところで何してるんだい?」
冷たい声でイオに語り掛けた。
「な、何ってシン達を見送ってるんだよ」
イオは殺気を感じて宿屋に戻ろうとした。
「どこ行くんだい! さっさとシンの後を追わんか!」
イオは赤髪嫁にお尻を力いっぱい蹴り飛ばされた!
「ええーっ」
イオは再び、宿屋に戻ろうとしたとき、殺し屋のような赤髪嫁の目を見て、それ以上宿屋に歩を進めることができなかった。
「行ってきまーす」
イオは駆け足でシン達の後を追いかけた。
「おーい、待ってくれ」
イオは馬車を追いかけながら、シンを呼んだ!
「なんだ、お前来たのか! 気にしなくていいから帰れ」
シンは邪魔になるイオには宿屋で大人しくしていてほしかった。
「そんなこと言うなよー、仲間だろー」
イオは馬車に無理やり乗り込んで、シンを抱きしめた。
「はぁーっ 仕方ないな!」
シンは渋々、イオを連れていくことにした。
「一緒に行くのはいいけど、勝手なことするなよ!」
「大丈夫だよ、戦いはオレに任せとけ!」
イオはとても嬉しそうだった。
「だから、それが迷惑なんだー」
シンは文句を言いながら笑顔である。
こうして、5人の旅が始まった。
「デン、状況が分からないから、なるべく急ぎで行くぞ!」
シンは馬車の手綱を握るデンの肩をたたいた。
「わかってるだよ、食料も十分あるだ」
デンとクニも笑顔だ。
ダンジョンを攻略することにより、すっかりチームが出来上がっていた。
シュバはそんなメンバーの姿を見て、目に涙をためていた。