第2形態
シンは鉄斧で何とかオルトロスの牙から身を守っていたが、徐々に押されていた。
「ぐっ」
とうとうシンは膝をついてしまった。
「バタン」
ボス部屋の扉が突然大きな音をだして閉じてしまった。
そもそも本来はボス部屋から逃げることはできないのが通常であった。
今回のようにパーティメンバーが全員入りきる前に、逃げを選択した場合は例外中の例外である。そのため3階層のボスであるオルトロスは、一旦入ったシン達を逃がさないため、他のメンバーが外にいる状態で飛びかかってきたのである。
「開かないぞ!」
シュバは閉まってしまったボス部屋の扉を必死に開けようとしたがびくともしなかった。
「どんどんどん」
クニと、デンは扉をたたいている。
「どうやら、オレとお前の一騎打ちのようだな」
シンはオルトロスの牙に今にもかみ砕けれそうになっていた。
「がるるるるるるるるるるっ」
オルトロスはさらに力を込めてシンに覆いかぶさってきた。
「くそっ、こんなところで・・・・!」
「おれにもっと力があれば!」
「くそーーーー!」
シンは自らのふがいなさを嘆いていた、いや怒っていた。
「くそーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」
シンの怒りが頂点に達したときそれは怒った!
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ」
シンの額の角はさらに大きく太くなった。
さらにシンの体はどんどん巨大になり2メートル近くになり、体中の筋肉は巨大で、その手足は丸太のように太くなった。
鬼化第2形態であった。
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ」
シンはオルトロスの2本の首を、その両手でつかんだ。
オルトロスは、その強大な力で首を絞めつけられ苦しそうだ。
「があああああああああああああああああああああああああああああああああっ」
オルトロスはその太く凶悪な爪でシンを引き裂こうと攻撃した。
「・・・・・・・・・・・・・・」
オルトロスの攻撃はシンに傷一つ付けることができなかった。
「はああああああああっ!」
シンはオルトロスの2つの首を掴んだまま、両側に体ごと引き裂いた。
オルトロスは半分に引き裂かれてしまった!
次の瞬間オルトロスは光に包まれ魔石に変わった
魔石の他に牙と爪がドロップしていた。
シンは素手でオルトロスを倒してしまった。
「や、やった!」
シンは気を失って前のめりで倒れた。同時にシンの鬼化は解けて、元のシンに戻った。
「ギギギぃ」
シンの後ろのボス部屋の扉が開いた。
「シンっ!」
シュバ達がシンの姿を発見し、シンに駆け寄ってきた。