表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
157/350

オルトロス

 宝箱をやり過ごしたシン達は、何体かのコボルトを撃ち、ボス部屋の前に到着した。

「おれ達、もう3階層のボス部屋にやってきたな! すごくないか」

 イオは胸を張っている。

 シン達はまだ知らないが、ダンジョンにもSクラスからEクラスまであり、シン達がいまいるダンジョンはEクラスであり、攻略しやすいということで初心者に非常に人気であった。


「前回のことを忘れるな! ボス部屋は別格だ」

 シン達はシュバが死にかけたことを思い返し、気を引きしめた。

「開けるぞ!」

 シンは3階層のボス部屋の扉を開け鉄斧を構えた。


 3階層のボス部屋は薄暗く、部屋の中央には双頭の犬の魔物オルトロスがいた。


「えっ、こいつ強そうじゃない?」

 イオはその姿を見るなり震えが止まらなかった。


「確かに・・・・」

 イオが言うまでもなくシンたち全員がこれまでのボスとは比較にならないくらいの凶悪さをひしひしと感じていた。


「何で、3階層にこんな化け物がいるんだ・・・・」

 シュバは剣を抜きながら、自らの足が震えていることに気が付いていない。


「がるるるるっるる」

 オルトロスは部屋の中央でぐるぐると回りながらシン達をみていた。

 シン達は、蛇に睨まれた蛙のように固まっていた。動いた瞬間にその凶暴な牙や爪で体を引き裂かれるのが分かってしまったからだ。


「まだ、に、逃げられるんじゃないか・・・・」

 デンとクニはいまだに、ボス部屋に足を踏み入れてないため、ボス部屋の扉は空いたままであった。


「デンとクニは、そのまま待機! シュバはゆっくりと下がれ!」

 シンはメンバーに指示を出した。ただ一人イオには何も言っていない。シンの目には全身震えて、おそらくイオがまともに逃げることができないとわかったからである。


「鬼化!」

 シュバが部屋の外に出たのを確認してシンはスキルを使った。

「イオ!お前はじっとしていろ!」

 シンは小声でイオに指示を出した。


「えっ、えっ・・・・」

 イオの震えはさらに大きくなっていた。

 オルトロスとシンは目を合わせたまま、緊張状態が続いている。


「しゅっ」

 シンはイオの体を掴んで、デンに投げつけた。

 デンはイオをしっかり受け止めたようだ。


「ガブッ」

 シンがイオを投げ飛ばしたと同時にオルトロスはシンに飛びついてきた。

 

 シンは鉄斧でオルトロスの攻撃をかろうじて防いでいる・

 オルトロスはシンの鉄斧を咥え、今にもかみ砕きそうだ。


「シン早く、こっちだや!」

 デンが叫んだ。


「ダメだ、オレも行く」

 シュバがシンを助けに向かおうとした。


「ダメだ、行くな! 足手まといになる!」

 クニがシュバを羽交い絞めにして止めた。


「くそっ!」

 シュバは歯をかみしめた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ