入院代
シン達は翌朝、食事を済ませた後、シュバの様子を見るためにヤホ爺さんのところに向かった。
「ヤホっ、シンかヤホ!」
なんと、シンの姿を見たシュバから声をかけてきた。
「シュバ、もう大丈夫なのか?」
シンはシュバに駆け寄った。
「ヤホ! もう峠は越えたヤホ!」
老人がシンに声をかけてきた。
「ありがとうございます。」
シンは老人に対して丁寧に頭を下げた。
「ヤホ! 気にするなヤホ!」
「ヤホ! 歩けるようになるのにまだ1週間くらいはかかるヤホ」
老人はそういうと右手を出した。
「なんですか?」
シンは、察しはついたが、あえて質問した。
「ヤホ! 入院代ヤホ!」
老人は今度は両手を出した。
「昨日金貨払いましたよね」
シンは少し怒気を強めて話した。
「ヤホ! あれは薬代ヤホ!」
老人は両手を出したまま話した。
「わかりましたよ」
シンは渋々金貨を1枚出した。
「ヤホ!」
老人は手を出したままだ!
「はあ・・・・」
シンはさらに金貨を1枚老人の手のひらに乗せた。
「ヤホ! ヤホ!」
老人は険しい顔になった。
「これでいいですか!」
シンは金貨3枚を差し出した。
「ヤホ!」
老人は笑顔になり奥に去っていった。
「まったく・・・・」
シンはどっと疲れた。
「ヤホ! なんだかお金いっぱい使わせたみたいで申し訳ないな・・・・ヤホ」
横でシンと老人のやり取りを見ていたシュバは申し訳なさそうだった。
「シュバはそんなこと気にせず、ゆっくりと休め!」
「それよりシュバ、なんでさっきからヤホ、ヤホ言ってるんだ?」
シンは気になっていることをシュバに確認した。
「ヤホ! いやー自分でもわからないんだけど、ずっとヤホ爺と話してたらいつの間にかな・・・・ヤホ」
シュバはそれほど気にしてないようだった。
「・・・・・・・・・」
シン達は、ずっとこのままだったらと、少し心配になった。
その後、シン達はしばらくシュバと話した後、ヤホ爺さんのところを出て、冒険者ギルドへ向かった。
ダンジョンで手に入れて魔石や素材を換金するためである。