ヤホ爺さん
シン達は瀕死のシュバを連れて宿屋に戻った
異様な雰囲気に赤髪嫁と青髪ママが、やってきた。
「ダンジョンで毒にやられたんだ! どうすればいい?」
シンは息を切らしながら尋ねた。
「こいつは・・・・」
「ヤホ爺のとこしかないね!」
「急ぐよ、ついてきな!」
青髪ママの先導でシン達はシュバを抱きかかえて後をついていった。
青髪ママは宿屋から5分ほど走った裏通りへ入っていった。
「ここだよ!」
そこには今にも崩れ落ちそうな藁ぶき屋根のボロ屋があった。
「えっ、こ、ここですか?」
シンはシュバの顔を見て時間がないのは理解しているが、その建物に入るのを躊躇した。
「何ぐずぐずしてるんだい! 早くしな!」
青髪ママの檄で、シンは覚悟を決めそのぼろ屋にシュバを運んだ。
中に入るや否や、そこら中に怪しいがらくたが散乱していた。その中には人間のしゃれこうべも、いくつか転がっている。
「おい、ヤホ爺!」
青髪ママはお建物に入るとすぐに、大声でヤホ爺を呼んだ。
「ヤホ! どうしたヤホ?」
奥からつま先まで伸びた長いひげを携えた小さな老人が出てきた。
「こいつを見てくれ!」
青髪ママはシュバをヤホ爺さんに見せた。
「ヤホ! こいつはだめだヤホ!」
老人はシュバを見るなり、助からないといった。
「やっぱりこんなとこじゃだめだ!」
シンはシュバを抱きかかえ、ぼろ屋を出ようとした。
「待ちな! ヤホ爺さんがダメなら、この町のどこ行っても助からない!」
青髪ママはシンを強く引き留めた。
「ヤホ爺さん! こいつを助けるにはどうすればいい?」
青髪ママは、老人に詰め寄った。
「ヤホ! だから無理だって言ってるヤホ!」
「ヤホ! 原因となった魔物の毒でもあればいいヤホ」
「ヤホ! だけど、今から取りに行っても間に合わないヤホ!」
老人はそういうと、奥に戻っていこうとした。
「待ってくれ! 毒ならここにある!」
シンは毒を浸したパンを老人に見せた。
「ヤホ! そんなものがあるなら早くいえヤホ!」
老人は毒が浸されたパンを握り締め、奥に向かった。
「お、おい!」
シンは老人を呼び止めた。
「ヤホ! そこで待ってるヤホ!」
老人は奥に入っていった。