決着
シュバを担いでいたデンは急いで壁際にシュバを担いだまま戻ってきた。
「ボワボワボワ」
なんとシュバの呪文で穴が開いたオオガエルの右わき腹は再生を始めた。
「シン、急げ!」
イオが叫んだ!
「任せろ!」
「鬼化!」
シンの額から2本の角が生えた。
シンは鉄斧を構え、シュバの攻撃で空いた穴をめがけて攻撃した。
「ガンッ」
「ボカッ」
「ドガっ」
「ズシュッ」
シンの鮮やかな連続攻撃でシュバの攻撃で空いた穴はどんどんその大きさを広げていく!
「ぶしゅーーーーーっ!」
空いた穴からは大量のガスが漏れだしている。
シンは息を止め、攻撃の手を緩めない。
「ドシャッ」
「ばがっ」
「フワシャッ」
シンがさらに攻撃するため、鉄斧を振りかぶったときオオガエルは光に包まれて魔石に変わった。魔石の他には大量の液体が残っている。
「お、終わった・・・・」
シンは、ホッとして地面にお尻をついた。
イオ、クニがシンに駆け寄った。デンもシュバを担いでやってきた。
「シン、やったな! 大丈夫か?」
イオがシンに声をかけた。
「ああ、オレは大丈夫だ。シュバはどうだ?」
シンはシュバの顔を見て驚いた。
シュバはまるで生気がなく、その顔は真っ白だった。
「お、おいシュバ! 生きてるのか!」
シンはシュバの体を抱きしめた。
「ギリギリ息はあるだ! だけんども、急がねば!」
デンはシュバを抱きかかえながら答えた。
デンがシュバを抱きかかえてるため、クニが魔石を回収した。
「この液体はどうしようか?」
「オレが見るに、これは毒だな」
この世界では、ブルージャイアントフロッグの毒は高額で取引されていた。薬の原料にもなるためだ。
「シュバの治療に必要となるかもしれない。何とかして持ち帰りたい!」
シンはクニに涙ながらに答えた。
「任せろ!」
クニは持っていたパンに毒液をしみこませて、パンが入っていた箱にそのまま入れた。
シン達の前には2つの魔法陣が現れていた。
3階層に向かう魔法陣と1階層に戻る魔法陣である。
「どっちだ?」
シンは迷ったが、直感で飛び込んだ。
次の瞬間シン達は、1階層の入口から入ってすぐの大広間にいた。
「よし、やったぞ!」
シン達はダンジョンを出て駆け出した。