オオガエル
扉の先には青黒い2mほどのカエルがいた。
ブルージャイアントフロッグである。
「また蛙か! この階層はカエルなのかもな」
シンが鉄斧を構えて警戒しながら近づいた。
「こいつにも、みんなで石投げましょうか」
デンが提案してきた。
「いや、さすがに無理だろう・・・・いややってみるか!」
シン、シュバ、デン、クニ、イオはそれぞれ地面の石を拾って投げる体制に入った。
「シュバ、お前の石に合わせてオレたちも投げるからな」
シンはシュバを横目で見て石を構えてる!
「なんだか、納得いかないな!」
シュバは不満気だ!
「行くぞ! ロッククラッシュ!」
少し大きめの石がシュバの伸ばした手の先から放たれた。
「今だ! みんな投げろ!」
シンの合図でシンを含めた4人が2階層ボスであるカエルの魔物に石を投げつけた!
「そりゃー」
「うお――っ!」
「エイヤーッ」
「どどどどどどっ」
シュバの石礫に続いて、シン達が投げた石もおおむねオオガエルに命中した。
「ブッブッブッ」
オオガエルが鳴いている。
「きいてるのか?」
シュバが不安げに確認した。
「わからない。みんな警戒しろ!」
シンは鉄斧をいつでも飛びかかれるように構えた。
「ぶしゅーーーーーっ!」
オオガエルの背中の穴から大量の何かが噴き出てきた。
「なんだ?」
シュバが声を出した次の瞬間!
「ウッ」
「バタッ」
最前列にいたシュバが倒れた。
「毒ガスだ! みんな下がれ!」
シンの合図でデン、クニ、イオが入口の壁まで下がった。
シンは息を止め、シュバを担いでデンたちのところに、やってきた。
「大丈夫か?」
シンはシュバの顔を見た。
シュバは目が充血し意識がもうろうとしているようだ。
「デン、シュバを頼む!」
シンはシュバを託して、オオガエルに対峙した。
「こいつは、厄介だな!」
石による攻撃はただ、オオガエルを怒らせただけで全く効いてないようだった。
シンはオオガエルの横に回り込んで鉄斧を力いっぱい打ち込んだ
「ぼよよーん」
シンの放った鉄斧はゴムに弾かれたように跳ね返された。
オオガエルの体表は弾力があり、シンの鉄斧では、その体表を打ち切ることができなかった。
「なるほど・・・・」
シンの額からは汗がひとしずく流れた。
「やばいかも・・・・」
シンはシュバのブラックボールが今こそ必要だと感じていたのであった。