2階層へ
「や、やったぞ!」
シン、シュバ、デン、クニの4人は魔石が落ちているところに集まってきた。
イオは口を開けて、まだ呆けている。
荷物担当のデンは、早速魔石とビッグラビットの角を袋に入れた。
「ゴゴゴッゴ」
魔法陣が床に出現した。
シン達4人は魔法陣に移動した!
「イオ、早く来い! おいていくぞ!」
イオは慌ててシンのところに駆け寄った。
次の瞬間、5人の体は透けて見えるようになった。
「おおおおっ」
5人は初めての体験に興奮を隠せない。
「んっ? あ、あれっ?」
気が付くと5人は知らない部屋に移動していた。
「ここは2階層なんじゃないか」
シンは部屋にある唯一の扉を開けた。
その先に1階層とは違う壁や床や天井である。
5人は恐る恐る通路を進んだ。
「ゲコゲコゲコ」
通路を歩いているとカエルの鳴き声が聞こえてきた。
「こんなダンジョンの中にカエルか?」
シュバはあたりをキョロキョロしながら歩いていた。
「おっ!」
シュバの前には30cmほどの体長のカエルが3匹いた。
「おいおい魔物じゃなくて、本当にカエルかよ」
シュバの前にいる3匹は、少し大きなカエルにしか見えない。
「しっ、しっ!」
シュバは足で通路をふさいでいるカエルを追い払おうとした。
「シュッ」
そのカエルは何かを吐き出した。
「ジュワ―ッ」
シュバの手に付けている小手が溶け出した。
「わわわわっ」
シュバはびっくりしてあたふたしている。
「シュバ! いったん下がれ! そいつは魔物だ!」
シンはシュバに声をかけながら鉄斧を構えた。
「デンとクニは後ろに」
シンは二人をかばうように前に出た。
「これくらいなら、オレでも!」
イオが前に出てきた。
「従魔契約 オレの従魔になれー」
イオが相変わらずの呪文を唱えた。
「ば、ばか! やめろ!」
相変わらずの淡い空気がカエルを包んだ!
「シュッ」
カエルから怒りを込めた大量の何かがイオにかかった
「ジュワーッ」
イオの服が溶け出した。
「イオ、すぐにその服脱げ!」
シンはイオを怒鳴りつけた。
「ワワワワッ」
イオは焦ってきていた服を脱ぎ捨てた。
次の瞬間イオの服は跡形もなく消え去った。