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苦戦

「うおおおおおおおおおっ」

 シンは鉄斧を大きく振りかぶりながらビッグラビットに切りつけた。


「ドンッ」

 シンの袈裟切りにはなったその大きな鉄斧の攻撃は地面に突き刺さった。


 ビッグラビットはその大きな後ろ足で、大きく飛び跳ねて攻撃をかわしていた。


「このちょこまかと・・・・」

 シンは地面に深く突き刺さった鉄斧を抜くのに苦戦している。

 そのシンに向かってビッグラビットは角を構えて突進してきた。


「ストーンボム」

 シュバはまた新しい呪文を唱えた。

 シュバの手のひらに手のひら大の石が出現した。

「えっ? シュバは自分の魔法ながら意味が分からなかった」


「あいつに投げつけろ」

 シンはシュバに向かって叫んだ!


「あ。ああっ」

 シュバは力いっぱいビッグラビットに向かってその石を投げつけた。


「ドンっ!」

 シュバの投げた石はストーンラビットにあたると大きく破裂した。石でできた手榴弾のようだ。


「うううっ」

 ビッグラビットは驚いて横に大きく飛び跳ねた。

 再び鉄斧を構えたシンとシュバがストーンラビットと対峙してにらみ合っている。


 シンは以前から思っていることがあった。

 シュバの土系の魔法は、そのあたりにある石を普通に投げても効果は同じなんじゃないのかと・・・・

 しかし、かわいそうすぎてシュバには言えないでいた。

「あいつの強みはおそらく、その素早さだ!」

「おれの斧の攻撃や、お前の黒い玉はおそらく避けられてしまうな・・・・」

 シンは、考えている・・・・


「ここはオレたちの秘密兵器を使うか」

 シンは何かを思いついたようだ!


「秘密兵器? そんものあったか?」

 シュバは首をかしげている。


「イオっ! やっとお前の力を借りる時が来たぞ」

 シンはイオに向かって叫んだ。


「オ、オレ?」

 イオは驚いた。

「そ、そうかいよいよ、オレの力に頼る時が来たようだな・・・・」

 イオは意味も分からず手を腰において胸を張っている。


「じゃあ、頼む例のヤツ!」

 シンはイオの目を見て笑った。


「お、おいシン!」

 シュバはシンの言動に動揺している。


「例のやつ? あ、ああ!」

「従魔契約! オレの従魔になれー」

 イオはビッグラビットに手をかざして叫んだ!



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