ダンジョン案内2
「それでは、続いて宝箱についてご説明します」
案内役は襟を正して説明を始めた。
「おおっ、やはり宝箱はあるんだ!」
シンは興奮した。
「宝箱の位置はボス部屋と同じように毎日0時に変更になります」
「内容や数は日によって異なりますが、一度誰かが宝箱を開けると、翌日の0時までは、その宝箱の中身はからということになります」
案内役はとてもゆっくりと丁寧に説明してくれた。
「な、なるほどー」
シン達は、今まで以上に真剣に説明を聞き入っていた。
「つづいて、ボス部屋についてです」
「ボス部屋は各階層に1つです。 一度ボスを倒すと1時間はボス部屋は空になります」
「1時間経過すると、ボスは再び登場します」
案内役は先ほど以上に丁寧に説明している。
「ふーん」
シン達は宝箱に比べて明らかにテンションが落ちていた。
「ボスを倒すと次の階層に移動することができるようになります」
「ダンジョンを一度出ても、各階層をクリアしている場合はこの部屋の隣の部屋から希望の階層に移動することができるようになります」
案内役は余りにテンションが低いシン達の態度に眉をひそめていた。
「それでは、ボスを倒せば、行列に並ばなくてもよくなるんですね」
シュバが、行列の事に気が付いて質問した。
「はい、その通りです」
案内役は笑顔で応えてくれた。
「案内は以上になります。皆さんにはこれから、私の後ろの扉を開けて、この1階層のボスと戦っていただきます」
案内役は後ろの扉を指さした。
「おおっ、いよいよか!」
シンは自らの両頬をぱちんと叩き、気合を入れた。
「それでは、いってらっしゃい!」
案内係はそういうと、突然姿を消した。
シン達は扉に向かって歩き出した。
「ボスは強敵かもしれない、デンとクニは後ろに下がっていてくれ」
「イオは適当に頑張れ・・・・」
シンはシュバとともに前に出た!
「シン行くぞ」
シュバは扉に手をかけて扉を押した。
「ごごごごっ」
扉は思ったより重く重厚であった。
扉の向こうには1体の魔物がたっていた。
「あれか!」
「慎重にな」
シンとシュバはともに声を掛け合った。
「従魔契約! 1階層のボスよオレの従魔になれー」
イオがいきなりスキルを発動した!
「あっ、やっちゃった!」
シン達はおそらく来るであろう、激怒した魔物の攻撃に備えた。