イオの冒険談
「オレはグレートホーンの群れに追われて崖から川に落ちて溺れて意識をなくしたみたいなんだ」
イオはこれまでの出来事を話してくれた。
「オレは溺れた後、意識のないまま、ずっと川に流されて、このダンジョン街の近くの岸辺まで来ちまった」
話を聞きながら、イオってすごいなとシュバは思っている。
「その時、川で洗濯をしてたママにオレは拾われたんだよ」
赤髪の奥さんじゃなくて青髪ママの方かよと、4人は心の中で突っ込んだ。
「3日間、意識がなくて目覚めた俺の前に女神がいたんだ! それがこのマイスイートハニーなんだ!」
4人はイオの美意識が分からなかった・・・・
「そのあと、この宿屋を住み込みで手伝いながら、毎日プロポーズした!」
シュバは少しイオを尊敬した。
「なぜか、毎日断られ続けたんだけど、オレが魔物使いってわかって、オレの話を聞いてくれるようになったんだ」
イオは照れながら話している。
「それでシン達の話をして、このダンジョンに潜るためにこの町に仲間が来ることを話したら、結婚に前向きになってくれたみたいで・・・・」
イオは給仕をしている赤髪の奥さんの方をチラチラ見ながら話している。
「シン達が到着したら、ダンジョン探索してホテルを立て直すって条件で結婚してくれたってわけだよ」
イオはとんでもないことを言った!
「はっ! 何勝手なこと言ってんだ!」
シンは激怒した。
「い、いや、別にシン達の取り分まで回してくれって言ってるわけじゃないよ。オレの取り分だけでいいんだ・・・・」
イオは小さくなってしまった。
「あんたたち、おとなしく聞いてたら調子に乗るんじゃないよ」
青髪ママが突然話に割り込んできた!
「リーダーのイオあってのパーティだろ! イオがいなけりゃ、若いあんたらだけじゃ魔物なんて討伐できないのに分け前を当分してくれるだけでもありがたいってもんなのに、何文句言ってるんだい!」
青髪ママは突然訳の分からないことを言い出した。
「あんたらが、今食べてる食事のお金だって、魔物使いのイオの力があってのものなんだから、もっと感謝しな!」
どうやらイオが、いろいろとやらかしてくれたようだ。
「イオ―っ」
シンはイオを睨んでいる。
「ご、ごめんなさい!」
イオは小声で誤って、手を合わしている。
シンは新婚で大きなことを言ってしまったイオに広い心で、ひとまずは怒りを抑えた。
イオはなおも平謝りしている。
「グレートホーン狩りはイオの力が大きかったことは確かだから、今回のことは大目に見てやるよ!」
イオはほっとした顔をしている。
イオの話が終わると、4人は満腹になって長旅の疲れからか、部屋に戻って皆すぐ熟睡してしまった。