憎悪の光
1時間ほどしてミトはようや立ち上がり崖を見上げた。
「な、納得できない! 急に出ていけなんて・・・・母さんまで!」
ミトは怒っていた。今まで共に生きてきたゴブリンたちが、突然自分を追い出したことに!
ミトは崖を登りだした!
「とにかく話をしないと! ミトは母やナンシーたちにきちんとした説明をしてもらうために洞窟を目指した!」
数時間はたっただろうか、ミトはようやく崖を登り切った。
「ここまでくれば、森を抜ければ洞窟だ!」
ミトは小走りで森を走り出した。
1時間、2時間、3時間ミトが森の中をどれだけ歩いても洞窟にたどり着かなかった。
「おかしい! 道に迷ったのか? いや、違うこの辺りの森は木の実拾いで、何度も行き来しているところだ!」
ミトは戸惑っていた。
1時間、2時間、3時間、4時間、5時間ミトは歩き続けた!
「どういうことだ! わけがわからない・・・・」
ミトは頭を抱えてしまった。ミトの足は止まった。2時間、3時間動きを止めたミトだったが、ようやく足を動かした。
「このままではらちが明かない!」
ミトは洞窟とは別方向に向かって走り出した。
「くそっ、くそっ、くそっ!」
「絶対にいつか戻ってきてやる!」
ミトは悔しさで泣きながら走っている。
「前世で僕は決して幸せじゃなかった。この世界に来て最初はゴブリンってことで戸惑っていたけど、やっと安住の地を得たと思ったのに」
「くそ―っ!」
ミトの中で激しい憎悪の感情の火が生まれた瞬間だった。
☆☆ ☆ ☆ ☆
「ようやくか!」
ナンシーとミハエルが話している。
「はっ、そのようです」
「こんなことはこれっきりにしてほしいものだ!」
「間もなく次が来る、しっかりと準備しておけ」
ナンシーがミハエルに話している。
「は! 御意!」
ミハエルは片膝をついてナンシーに挨拶をした。
明日一挙10話を投稿予定です。
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