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ゴブリンの楽しい毎日

 ミトが誕生してから3年が経過していた・・・・

 今日もミトは元気よく木の実を探しに出かけていく!


 ミトは今の生活に満足していた。

 確かにテレビもインターネットも何もないが、この単調な生活がミトの生活にはあっていた。さらにミトが今の生活に馴染んだ大きな理由はコミュニケーションをとる必要がないためだ。

 人間と違い、ゴブリンはかなり無口であった。ミトの方から話しかけない限り、ほぼ1日中、誰とも話をすることなく過ぎていった。

 唯一不満があるとすれば、ミハエルという男のゴブリンだ!

 気に入らないことがあれば、だれかれ構わず、すぐに暴力を振るう。前世のころから暴力とは無縁の生活をしていたミトにとってはあり得ない存在である。

「全くあいつは信じられない、いつもこん棒のようなもの持って歩いているし・・・・ミハエルにさえ近づかない限りここは天国だよ!」

「癒しの存在はナンシーさん。 ゴブリンには見えないきれいな女性だ! 彼女のためなら死んでもいいとさえミトは思っていた」


  ☆☆ ☆ ☆ ☆


 さらに数年が過ぎて、ミトは完全にゴブリンの一員となっている。前世の事を思い出すこともほとんどない。

「今日も1日木の実拾いだ! 何も考えずに夜まで作業するぞー」

 ミトは誰とも話さないで1日中作業する木の実拾いが大好きだった。


 いつものように、木の実拾いを終わって洞窟に返ってくると、母親のエリザベスが話しかけてきた。エリザベスと話をするのは数カ月ぶりである。もはや大人のミトにとっては親子関係は必要ないものになっていた。


「ちょっと話があるから、こっちに来て」

 いつものエリザベスと雰囲気が違った。


 ミトはエリザベスについて、小部屋に入っていった。

「なんなんだ、めんどいな! 早く寝てまた明日の朝、木の実を拾いに行きたいのに」


「ここで少し待っていて」

 そういうとエリザベスは一人出て行った。


「え、何? わけがわからない。ルーティーンを崩したくないのに・・・・」

 ミトはとても不満だった。いつもと違う時間の使いからにイライラしていた。


 ナンシーが突然入ってきた!


「おっ、やった!」

 ミトは心の声が出てしまった


「お前は、どうしていつまでもここにいるんだ!」

 ナンシーがミトに話しかけてきた。とても冷たい口調で!


 いつもと全く違う雰囲気で、冷たい命令口調で話しかけられたミトは完全に思考停止に陥った。


「・・・・・・」

 ミトは何も答えなかった。


「今回は失敗なのか・・・・」

 ナンシーは冷たい声で独り言を放った。


「・・・・・・」

 ミトはとても恐ろしくなったのである。



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