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この中に1人男の娘がいる! いや、まぁ僕なんだけどね40

「ずいぶん強力な中ボスだったぜ。レイラちゃん、大丈夫?」

「くいなくしんでるですます」

「いや、生き返ろうぜ。レイラちゃんがいないとこのツアーは成立しないんだ」

「赤目っチがおっぱい揉ませてくれればいきかえるですます」

「……僕のは勘弁してほしいぜ」

 レイラちゃんに揉まれてしまえば、性別がばれかねない。

「てこでもうごかないですます」

 畳の上であおむけになったレイラちゃんは、胸の前でバッテンに腕を組む。ミイラの構えだ。

「僕のおっぱいにそこまで価値があるとは思えないんだけど」

「赤目っチとともだちになりたいですます」

「え? 僕達、まだ友達じゃなかったの?」

「ちがうですます。揉まざるはともならざるですます」

 レイラちゃんとはもう完全に打ち解けたと思ってたぜ。まさか僕の一方的な友達意識だったとは、軽くショックだ。

「いや、でもなぁ、やっぱり僕のはだめだ。これだけは、どうしてもできない」

「うっく、ひっく……」

「!?」

 突然、レイラちゃんがしゃくりあげ始めた。透き通った青い瞳に、みるみるうちに涙がたまっていく。

「あーあ、赤目さんが泣かしたよぉ」

「泣く要素あった!? ねえ、僕が悪いの? これ、僕が悪いの!?」

「赤目っチ、やっぱり、ぼく、嫌い?」

「いや、嫌いじゃないから! むしろ好きだから!」

「好き……?」と、桜島さんが眉をぴくりと動かしたのは、とりあえず置いておこう。

「でも、おっぱい、揉ませて、くれない」

「好きでも揉ませられないことはあると思うぜ!」

「それはないですます」

「なぜ断言できるの!?」

「にほんにりゅーがくしてきたときですます……」

 ん? これってもしかして、長いお話始まった?

「ぼく、にほんご下手でなかなか友達できなかったですます。でも、ある日、一人の女の子がぼくのおっぱいをさわってきたですます。はじめはおどろいたですます。でも、いやではなかったですます。その後、『わたしのも触りなよ』って言ってくれたですます。まだにほんのこみゅにけーしょんになれていなかったぼくは、はずかしかったけどゆっくりゆっくり揉んだですます。おかあさんのおっぱいみたいにやさしく、やわらかかったですます。揉んでいるうちに、なんだかおかしくなって二人で笑いあったですます。それが終わった後、『これにてお友達の儀式終了!』と、いってくれたのですます。ぼくたちは、ともだちになったのですます。それからずっとなかよしですます」

「あれ? なんかちょっといい話に聞こえるぜ。僕の感性、修学旅行にでも行っちゃったのか?」

「ボクも、不覚にも赤目さんと同じ感想だよ……」と、桜島さんが賛同してくれたので、僕の心はまだ腐りきってはいなかったようだ。

「そこでぼくは学んだですます。にほんのともだちとは、おっぱいを揉みあってうまれるものだって」

「いい話っぽく聞こえたけど、やっぱり間違ってるぜ!」

「でも、それからともだち百人できたですます」

「なんで!?」

「ボクの五十倍はいる……。やっぱりこの世の中、胸なのかな」

 桜島さん、凹む方向間違ってるぜ。レイラちゃんに友達ができ始めたのは、この子のまっすぐな魅力にみんなが気づきだしたからに違いないぜ。

「からだの関係はいやですます?」

「その言い方はまずいから!」

「やっぱり、赤目っチはぼく嫌いですます」

 ずぅぅううううんと、畳に沈み込んでしまいそうな重苦しい悲しみをレイラちゃんから感じる。

「……桜島さん、残りの人のおっぱいを君が揉むことはできる?」

「無理だよ! ボクにそんな勇気はないよ」

「なら、僕が直接揉んで確かめるしかないのか」

「そ、それだけは絶対にダメ!」と、強く反対された。やっぱり男の僕が触って確認することはダメか。アナスタシアさんとの鉄のおきてにも引っかかるだろうけど、状況が状況だし破ってしまおうかと思ったんだけどね。

 もうレイラちゃんに行ってもらうしかないじゃん。

「えぇい! わかったわかった! 揉め! 揉んでしまえ!」

 自分の胸をレイラちゃんの方へ向かって張る。

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