表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

なめらかに

作者:

 森田童子 / 船がくるぞ 

 森田童子 - 蒸留反応

を それぞれ聴きながら


 **


たとえば、愛するということは、たとえば、変な音階で歌をうたうこと。

たとえば、愛するということは、たとえば、歌のように自由であるということ。

たとえば、愛するということは、のびやかに、音が震えだすこと。


爪が欠けるね、昨夜降り積もった雪のあたりに沈められたウサギの子をすかしてみて、

――そのウサギは、氷でかたどった工作のウサギの子。


たとえば、愛するということは、耳の後ろを削り取る痛みに似て。

たとえば、愛するということは、ポケットの中でわすれさられた紙屑を捨てられずに小さく小さく縮こまセルこと。


ときには、喉が裂けそうなほどに、焼け付くほどの憎しみを感じることもあるよ。

ときには、気づかぬほどに、愛しさに愛しさを抱きしめることだってあるよ。


ときには、ずるさを愛情とやさしさだとしがみつきたいときだってあるよ。


――それらが、すべて嘘であっても。


たとえば、愛するということは、ときには私をころすことであり、

たとえば、愛するということは、あなたを閉じ込めようとすることであり、


――だから、私は愛さない。

それらは、醜くて醜くて、愛しすぎるから。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] この詩の中で、私が特に「おおっ」と思ったのは、前半の愛を歌に例えているところです。 愛と歌ーーそれらを重ね合わせて描いているセンスに感動しました。 二つは切っても切れないものなのだろうな…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ