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精神科医への手紙  作者: 新兎和真
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逃避行その23*臨床心理士Uさんへ

Uさんへ


例の幼馴染ふみのちゃんのことです。

ふみのちゃんの母親にふみのちゃんの様子を聞いてから手紙を書くなりするというお話しを前回しましたよね?


とは言っても、なかなか母親に会う機会がなく、散歩のふりをして近所をうろつく日々が続きました。(たまに母親は庭に出てくるので)


たまたま母親に会えた時があったのですが、ちょっと大変そうにしている時で声をかけるべきではなかったかもしれません。

しかし、ふみのちゃんに今度いつ遊べるのか聞いてもらえることになりました。


その2日後ぐらいに例の野菜屋さんがやって来たので、母親も来ているかな?と思い、寝起きでしたが、散歩を装って行ってみたのです。


すると母親ではなく本人が来ていました。


まず、寝起きなのがバレました。


次に、野菜屋さんに買い物に来ているのに、そっちのけで話し込んでしまいました。


さらにふみのちゃんは卵を買っていたので、早く帰りたかっただろうに家の前までついていって話してしまいました。


どうも寝起きだと細かな配慮ができなくなってしまうことが、皮肉にも今回の件でわかりました。

野菜屋さんにもふみのちゃんにも失礼だったな……と。

しかし、ふみのちゃんは月に1度のペースで文通してくれると言ってくれました。


ふみのちゃんに会ってずいぶん興奮していたようで、これを書いている今、会っていた時のことが細かに思い出せなくなっています。


野菜屋さんも一緒に来ればいい、とふみのちゃんが言っていた気がするんだけど、言っていたっけ?といった感じで記憶が非常にあいまいになっています。


本当に言っていたのか、覚えていないのが非常に情けないです。

楽しい会話もしたはずで、その時は楽しかったし、ふみのちゃんも笑っていたはずなのに、何故か今はふみのちゃんが迷惑そうな顔をしていたような記憶ばかりクローズアップされ、悪いことをしてしまったと後悔ばかりしてしまいます。


どちらの記憶が正しいのか今はもうわからなくなってしまいました。

記憶がこんなにも飛ぶなんて思っていなかったので自分でも怖いです。



それと、私の母親が病気のことを誤解して、記憶が消えるのは自分が嫌な記憶を意図的に消していて現実逃避をしているのだと勘違いしていてとても辛かったです。

意図的に記憶を消すわけではないので。

「あなたとは違う」と言われ、差別するような目で見られました。


2018年5月24日

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