98話 -ご加護-
「あ~いい、なんかいい感じがする~」
女神?の石像が持っている瓶から水が流れ落ちている。アルハイトは白装束に着替え、頭でそれを受けながら手を合わせている。
「これで精霊の加護が得られるのか?」
「文献が残っていないので分かりません。ただ今はやってみるしかありません」
「まあそうか」
せっかく苦労してここまで来たんだからな。
「ケイタさん、薺さん、ありがとうございます。お二人がいなければここまでたどり着くことはできなかったと思います」
ロアンが頭を下げる。
「礼はいらない、俺は謝礼目当てでやっているだけだ。お前からもアイツの母親に言っておけよ、いい謝礼の品を持って来いってな」
「了解しました、必ず伝えてさせていただきます」
「出来れば魔石がいい。強力な魔石」
「強力な魔石……一体何に使うつもりなのでしょう」
「それは言えない」
「そうですか…」
これが終わったらこいつらとはお別れだからな。わざわざ話す必要はないだろう。
「薺」
地面に落ちているソレを拾って薺のもとに行く。
「これを見てくれ」
「・・・・」
「そうだ。内側に針が仕込まれている」
魔獣の首につけられた鎖の内側には無数の鋭い針。
「これを付けたやつはこの場所に縛り付けるだけじゃ足りないと考えたらしい」
惨いことだ。
「薺……俺はプーチャル教が嫌いだ。この鎖はプーチャル教に属する誰かの仕業だと思っている」
なぜそう思うか?
盗賊との戦いで得たスキル。
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<特殊スキル BlueberryEye>
◎他者の魂を読み取ることで情報を得る事ができる。
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棘毒野郎の魂。
アイツの魂は語っていた。
ここに来たのは教会から命令を受けたからだ。この「精霊の泉」の洞窟は教会にとって意味のある場所。
アルハイトがこの場所に来るという情報を得た教会はアルハイトを殺すことを決めた。しかし相手は王族、自分たちの名前が出ることを避けるためにチンピラを雇った。
しかしそれではやり損ねる可能性が十分にある。
だから棘毒野郎を行かせた。チンピラたちが失敗した場合はチンピラとアルハイトを殺し、成功した場合はチンピラを殺す。
教会にとって意味のある場所。
それはこの場所に捉えられた魔獣がいることを知っていたということだ。
この鎖はプーチャル教の鎖だ。
「・・・・」
「ああ。そしてこの鎖を付けたやつを見つけ出して報いを受けさせてやりたいと思う。だからその時お前はどうするか考えておいてほしい」
無言でこちらを見つめる薺の目。
吸い込まれるようだった。
「あああああ!!」
アルハイトが突然大声を上げた。
「どうした」
「なんかピカッってきた!」
なんだそりゃ。
「精霊様の加護ですか?」
「ピカッてきた、なんかわかんないけどピカッってきた!」
「お前さっきから同じことしか言ってないぞ」
「一度あがって体を拭いて転写紙で確認をしてみましょう」
転写紙?
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