90話 -犬か猫か-
「落ち着け薺、お前は猫と一緒にいたいだけだ。けど王都にも猫はいっぱいいる」
「しゃーん」
威嚇された。
「大体にして俺はこの猫は気に入らない。目が嫌な感じだ、鰐みたいな目をしてるぞ」
「しゃーん」
威嚇。
俺の言葉がわかっているかのようだ。
俺には昨日からツンツンのくせに薺のことはすっかり気に入ったらしく体を擦り付けたりしている。
考えすぎかもしれないがまるで群れの中に順位をつけていて薺を上として考えている気がする。
俺はもちろん最下位。
だから俺は犬派なんだ。
犬は人間の友達。人間を主人として認めて従う。忠犬ハチ公はいても忠猫ハチ公はいない。忠誠心がないからだ。
世話してもらって当然の態度の猫は気に食わない。
「しゃーん」
「うるせー」
「・・・・」
俺も精霊のご加護貰えるかも?
「それは絶対ない」
なぜなら俺は悪魔だからだ。
悪魔に加護をやる精霊なんているか?いるわけないだろ。
「わかったケイタ!それじゃあ一緒に来てくれたら母さんに頼んでケイタが喜ぶものもらってきてやるから」
「喜ぶもの?お前は俺が何を喜ぶのかわかってるのか?」
「母さんは才能のある芸術家を支援してその絵で結構儲けているらしいんだ。だからお前のでっかい肖像画を描いてもらうように頼んでやるよ」
「いらねー!」
「えっなんでだ?貴族の人たちはみんな喜んで沢山お金を置いていくみたいだぞ」
「おれはそいつらとは違う。魔石だ!それか強い魔獣の死体!」
素材に使えるからな。
せっかく薺の能力「夜思花の命」があるんだから使わない手はない。ホネの助・ボーン座衛門の仲間をたくさん作りだして最強の軍隊を作ってやる。
〇●〇●〇●〇●〇●
特殊スキル「夜思花の命」
◎命無き物質に仮初の命を与える。
◎生み出されたもののステータスは素材となる物質により変化する。なお、スキル使用者の特性も受け継がれる。
◎生み出されたものはスキル使用者に絶対服従である。
〇●〇●〇●〇●〇●
「止めとけよケイタ腹壊すぞ」
「誰が食うか!」
「ジュースにして飲むんだろ?」
「アホかお前は!」
「なんか好きそうだと思った」
「思うな!俺をどんな奴だと思ってるんだお前は」
「・・・・」
「好きなわけあるか!」
薺お前はわかれよ。
俺が一度でも魔獣の死体をジュースにして飲んだことがあったか?
「じゃあ一緒に来てくれるんだな?」
「だいたいにしてお前ひとりの力で泉までたどり着かなくて大丈夫なのかよ?」
「全然大丈夫。だって昔は魔獣とかいなかったんだし」
「そうか、そういえばそう言っていたな」
「来てくれるんだな?」
「あとでいいのを持って来いよ?」
「わかった!」
太陽のような笑顔だった。
評価、ブクマ頂ければやる気が出ます。
よろしくお願いします。




