71話
「わっちっちち、、」
一瞬で燃え上がった茂みから飛び出る。突然目の前が燃え上がった。
「薺!」
「・・」
「無事か、よかった」
全くもっていつもの薺だった。頭の先から足の先に至るまで汚れのひとつもない。
「炎デバー!!」
隣にいたモントドール。飛び出したのが見えた。そして着地する前には炎の円盤をオークの群れへと投げつけていた。
シュンシュンシュン
ザパッ!
「グモモーーー!」
あれが炎の加護を使った攻撃。その円盤は斬撃の効果があるらしく不規則な軌道で動きながらオークを切り裂いている。
「炎ドルフィン!」
足の裏から炎が噴出。まるでロケットのように炎を推進力として群れへと突っ込んでいくモントドール。
感心した。
さすがは兵士。戦いに身を置くものだ。急展開にも動じず、すぐさま攻撃へと頭を切り替えた。炎に驚き戸惑った自分とは大違いだ。
ザパッ!
オークジェネラルの皮膚から血が噴き出し、悲鳴よりも先にその体は炎に包まれた。
「ボブーーーーー」
振るわれた槌を右へと躱し体を捻って背中を切りつける。
「ボバーーー」
ドズン
倒れた体から炎が上がりオークジェネラルは倒れた。
ヒュッ!
「!」
突然飛んできた野球ボール大の炎。
バーーーーーーン!!
大爆発。
背を向け頭を抱え込み身を守った。顔を上げると辺り一面が炎に包まれていた。近くにいたオークは全身が燃え走り回ったり転げ回ったりしている。
これは魔法防御力のようなステータスの差であるのか、オークが極端に炎に弱いのか、判断がつかない。だが自分の体は燃え上がっていない。それでだけで十分。
「クソ、あん時のやつだ」
森に隠れていた時の大爆発、その原因がわかった。
ヒュン!ヒュン!ヒュン!
突然変異種オークが尾を振るうたびに3個ずつ爆発するボールをまき散らしている。その被害は当然、オークたちのことも巻き込んでいるが知ったこっちゃないようだ。
「あのクソ豚め!」
バーーーン!バーン!バーン!
とにかくうるさい、耳が痛くなる。
辺り一面が炎。
いくらなんでも撒き散らしすぎだ。あの豚調子に乗りやがって。クソ。
薺大丈夫だろうか。何も見えない。炎しか見えない。全身を火傷しそうだ。息が苦しい。マズイ、ここを離れなければ。
「!」
炎をぶち破ったオークが突っ込んできた。




