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67話

 


「ダァ!!」



 ズバッ!


 モンスターの肉が斬れ、火が上がった。


「がガア・・・」


 バタン。



「勝利!!神よ、感謝します」


 手を動かし天に向かって祈りを捧げた。



「これは、、、、」


「どうだい、ケイタ君!」


 白い歯を見せニッコリと笑った。細くなった目とその横の皺、デカい声。暑苦しい。だが、それよりも、、


「特殊スキルか?」


 攻撃したところを燃やす特殊スキルなのか?


「いえ、隊長は特殊スキルを持っていません」


「それなら、、」


「加護だよ、加護。私は火の神様から御加護を授かっているんだ。詠唱無しで火を出すことができる。攻撃はもちろん、足から噴射すれば高速移動もできる。そして火に対する耐性もあるんだ」



 加護?そんなのもあるのか。というかなぜ自分の能力を説明する。黒部くろべ 圭太けいたには理解することが出来ない。


 弱肉強食のこの世界で自分の能力を晒すということ、それは殺してくれと言っているようなものだと考えている圭太には理解することが出来なかった。


「一般的にオークは火魔法が苦手です。ですから」


「だからBランクでもAランクに勝てるってか?」


「大丈夫。みんなで力を合わせれば絶対大丈夫!」


 答えになってない。だが少しは考えているようだ。だいぶ心もとない理由だが。


「た」


「?なんだいケイタ君?」


「いや、なんでもない」


 試したことがあるのか?そう聞こうとして止めた。実際にAランクのオークを何度倒したことがあるのか気になった。だがもしも、今回が初挑戦だ!と大笑顔で言われたらムカつくからやめた。



 いや、まて!


 それよりもだ!


 俺は人間じゃない、悪魔だ。ということは俺にも苦手な属性の魔法がある、その可能性に気づいた。


 まずい。苦手な属性の魔法、それはどのくらいのダメージを受けるんだ?格下からの攻撃であっても大ダメージを受けてしまうのか?


 来てよかったかもしれない。この大馬鹿コンビと一緒に来てよかったかもしれない。確かめなければいけない。情報を得なければ。そして対策を講じなければならない。


「おーい!」


「はっ!」


「あ、気づきましたね。さっきからずっと上の空でしたよ」


「そんなことはない」


「ケイタ君、もしかしてプーチャル教の教義が気になっているのかい?」


「???」


「確かにプーチャル教では火の神様の存在を認めてはいません。ですが」


「そんなことはどうでもいい」


 本心。


 そんなものどうでもいい事。あんな豚が所属してた宗教なんか大嫌いだ。そもそも俺は今、悪魔なんだから神に祈ってどうする。



「俺は宗教には興味がない」


「そうかぁ、よかった。心配していたんだ」


「お前の能力について考えてただけだ」


「そうか、それならよかった。一生懸命考えること、それは絶対にケイタ君のためになるよ!昨日より今日、今日より明日。頑張ってるケイタ君は最高のケイタ君になっていくんだ!!」


 満面の笑顔。


 立てた親指。


 バシバシと肩を叩いてくる。



 うぜえ。


 いちいちうぜえ。


 毎秒うぜえ。



 なんで来ちまったんだろう。


 ヒャクシキの森の中、黒部くろべ 圭太けいたは思った。



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