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64話 -仲間-

 


「元気いいなケイタ君!その元気があれば大丈夫だ!」


「行・か・な・い!っていってるだろ!なんで俺らがいかなきゃならないんだ。行きたきゃ勝手に行け」


「街の危機で」


「知るか!」


 言い争いに入ってきた女兵士に向き直る。男には話が通じない。喋っても無駄だ。なんの笑顔だ、意味がわからん。


「ケイタ君!」


 無視。


「大体にしてなんでたったの二人なんだ?街の危機にたったの二人で立ち向かうって?おかしいだろそんなの」


「そ、それは、、、」


「俺は兵士じゃない。わかってるか?街を守るのは俺の仕事じゃない、お前らの仕事だろ、なんで俺が街を守るために立ち上がらなけりゃならないんだ!やりたきゃお前ら二人でやれ」


「大丈夫!私達ならできる!その元気があれば絶対にできる!」


 無視


「他の兵士はどうした?逃げたか?」


「ぐ、、、」


「図星か。どいつもこいつもクソだな、税金で食ってるクセに肝心な時には役立たずか!ゴミ人間が。俺が行く理由なんか少しもない。あるなら言ってみろ!」



 Aランクのオークキング、って言ってたな。相当強いモンスターに違いない。


 ふざけんな、だ。


 知るか、だ。


 他人が死のうが、街が壊滅されられようが、知ったこっちゃない。俺には全く関係ない。自分の身は自分で守りやがれ、だ。そもそもそれが本当なら街から逃げろ、あるいは街の人間全員で立ち向かえ。


 なぜ縁もゆかりもないこんな街のために命を懸けて戦わないといけない。理由なんかない。そんな理由、あるはずが無いんだ。



「仲間だ!!」


「は???」



 仲間。


 鳥肌が立った。



「私たちは仲間だケイタ君!理由はそれで十分じゃないか!」


 笑顔で親指を突き立てている。


「おまえ、、、、」


 何言ってんの?


 恥。


 仲間とかよく真顔で言えるな、コイツ。


「な、なにをいってんだお前!一回会っただけだ、知り合いでもなんでもない、それなのになんで仲間になるんだよ!」



 わからない。コイツという人間が分からない。なんなんだこいつは。


 ガシ、


 両肩を掴まれた。



「時間なんて関係ない。だから仲間なんだ」


「お前の事を仲間なんて一回も思ったことないわ」


「仲間だ。私は仲間だと思ってるよ、ケイタ君!」



 なんだその笑顔は。


 なんだその純粋な目は。


 やめろ、そんな目で俺を見るな。



「仲間だ!!!」



 こいつ本気か?本気なのか?


 ナカマ、トモダチ、ユウジョウ、そんなもの人生で一度も巡り合わなかった。俺には不必要なものだ。



「仲間だ!!!」



 やめろ、


 真っ直ぐな目で俺を見るな。



 ナカマ、、、、


 嘘だ。


 嘘に決まってる。


 ナカマ、そんなものは物語の中にしか存在しない。嘘。人間は生まれた瞬間から自分勝手で自分の事しか考えていない。嘘だ。ナカマ、そんなものはない。群れるための言い訳でしかない。嘘だ。ナカマ、あり得ない。人間は自分の利益ためにしか動かない。


 そんな綺麗ごと存在しない。嘘に決まってる。



「嘘だ!!!」


「ケイタ君・・」


「そんなもんがあるはずがない!ただ俺の事を利用しようとしてるだけだろ、ふざけんな!何が仲間だ!いい加減にしろ!頭がおかしくなるわ、誰が騙されるか!俺の前から消え失せろ!クソ詐欺師が!」


「ケイタ君、なにも心配することはない。そんなに怯えなくても大丈夫、仲間のピンチには皆で立ち向かう。それが仲間なんだ、怖がらなくても大丈夫、私たちは仲間、仲間なんだ!!」


 なぜか体がじっとりと汗をかいている。



「ケイタ君!みんなでこの危機を乗り越えるんだ!行こう!!」



 真っ直ぐな目、満面の笑顔で肩を握り、力強く揺さぶってくる。



 ルフィか、こいつは。


 俺はチョッパーじゃない。



 頭が混乱してくる。


 洗脳か?


 洗脳作戦か?



 誰か助けてくれ。




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