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63話 ーお誘いは強引にー

 


「行こう!ケイタ君」


「?」


「ヒャクシキの森だ」


「?」


「オークキングを見たんだ。だから行こう!」


「?」



 ピクニックから街に戻った。そんな圭太達を門で待ち構えていたのは男と女。少し前に例の事件を起こしたエンポラル商会。その扉を開けた所で出会ってしまった兵士の二人だった。


 男はこっちの姿を認めるや否やダッシュしてきて大笑顔で熱く語りかけてくる。「行こう!」から始まる会話ってなんだよ。



「みんなが犠牲になるかもしれない。そんなことあったらだめだ。僕らで止めるんだ」


「?」


「行こう!ケイタ君!!」



 意味が全く分からない。何を言っているのんだ、こいつは。これで会話が成立すると思っているのか?


 暑苦しい・・・


 白のタンクトップに日焼けした肌、暑苦しい。白い歯、筋肉質の体、暑苦しい。逆立った髪の毛、ボディービルダーみたいな笑顔。暑苦しい。


 自分とは全く種類の違う人間、いや、俺は悪魔だから人間ではないが、とにかく自分とは全く相容れないタイプの奴だ。


 異世界の言葉完璧じゃないのか?なぜこうも話が理解できない。しかも滅茶苦茶馴れ馴れしい。一回あっただけだ、それなのになんだ、このフレンドリー感は。戸惑いしか感じない。



 女兵士が間に入ってきた。


「この街から1時間ほどの距離にあるヒャクシキの森。そこでCランク冒険者のクリストファーがオークキングを見たとギルドに報告したのです」


 だから?


「オークキングは単独ではAランクモンスターに指定されていますが、その周囲にはBランクのオークジェネラルが複数存在する事例が多数報告されています」


 だから?


「討伐推奨はAランク3名以上のパーティーです。しかし現在この街にはそれにあたるパーティーはいません。王都に救援を依頼していますが、ヒャクシキの森はこの街にあまりにも近すぎて救援が間に合わない危険があります」


 だから?


「モントドール隊長は討伐を志願しました。隊長はあなたにも一緒に討伐に参加してくれることを望んでいます。だからここで帰りを待っていたのです」


 女兵士の説明は分かりやすい。


 なるほど、そういうことか。


 話は理解できた。



「行こう!ケイタ君」


「誰が行くか!バカ野郎!」



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