61話 -相棒-
BLULULULULU・・・・・・・・・
草原に鳴り響くエンジン音。
人工物のない自然のなか、その音は不自然さを感じさせるものだった。なにしろここは地球ではないのだ。だというのに草原を走り抜けるバイク。タンクは紺とゴールドの2色。シルバーメタリックのエンジンが太陽光で光っている。
運転する黒髪の男、そして後ろで男の腰に手をまわし掴まっている少女。もちろん黒部 圭太と薺。
「ようやくまともに動かせるようになってきたな」
「・・」
そう。まともに走行できるようになるまでには練習が必要だった。圭太は今までにバイクというものに乗った事が無い。だからエンストしまくり、急発進、急停止しかできなかった。使いながら自己流で覚えていったのだから苦戦するのは当然だった。
もちろん、店の主人に使い方を聞く。それも頭には浮かんでいたのだがあれだけのことを起こしておいて頭を下げるのはプライドが許さなかった。
それに以前とは違うポイントがある。それは横転しようが、大岩に衝突しようが、怪我をしないという事。
薺は持ち前の運動神経とスピードで事故る前にバイクから離脱できるし、圭太は盗賊との戦闘によって上がったステータスで岩よりも丈夫になっていた。
最悪、バイクが壊れるだけだ。金さえあればまた買えるし、なんなら迷宮に潜って自分で見つけてくればいい。だから大胆に練習することが出来た。多少ボコボコになったがこういう男くさいバイクはむしろ、傷が無いほうがダサいと考える事にした。
BLULULULULU・・・・・・・・・
草原を突き進む。
快晴、気分がいい。どこまでも走れそうだ。体力的にも全く問題ない。
そう、このバイク。この世界においては魔道二輪車の動力はガソリンではない。魔力。魔力を動力として動くのだ。
そしてこのバイクは使用者の魔力を動力として動いている。練習を含め、もう2時間ほど動かしているが疲労感は全く感じない。
実験は成功だ。
王都へはバイクで行こうと考えていた。だからその前にどの程度魔力を消費するものなのか知っておく必要があった。
そしてもうひとつ。
旅をするうえで確認しておきたいことがあった。
BLULULULULU・・・・・・・・・




