55話
「安っ!」
大通りを外れ街の外側の方へと向かっていくと、大通りほどではないが広い通りに出た。そこでは通りの端に屋台がいくつも出ていた。
そこで見つけたパン。
安い、顔の半分くらいの大きさのパンでも70ゴールドだ。あの800ゴールドのパンを売っている店はなんなんだ?ぼったくりか?
「そーかい、そーかい、安いかい、そいじゃあ、ひとつ買ってってよ」
頭に白い布を巻き、無精ひげを生やしたおっさんが少しだけ愛想よく言った。
「日持ちするし、他の店より苦くないって評判なんだよ、うちのライ麦パンは」
ライ麦パン。
小麦じゃなくてライ麦か。どうりで色が茶色っぽいわけだ。そして、どうりで安いわけだ。ライ麦パンは苦いのか初めて知った。
だがしかし、目的にはぴったり合う。旅をするわけだから日持ちするのは魅力だ。しかも安い。この世界で旅人はこういうのを食べているのか。
「・・・・」
「苦いのはいや、か・・まあ、とりあえず一通り見て回るか。他にいいものがあるかもしれないし」
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「おい、おい、おい、おい、ニーちゃんよ!」
「は?」
「は?じゃねえよ!なに舐めた態度度ってんだよ」
「は?」
絡まれている。
相手は3人の男。前に見た盗賊を思い起こさせる。目が濁って汚い。
「なに調子こいてんだよ」
人々が一瞬にして周りから離れて行く。
「俺達はな、ファベーラだ、分かってんのか、オイ!」
知らね。
それよりもなぜ絡まれる。ここは治安が悪いエリアじゃないぞ。まだ大通から少しか来ていない。悪いのは街の外周部のはずだ。しかもこんだけ人がいて、なんで俺なんだ?わからん。
「オイ!!」
胸ぐらを掴もうと伸ばしてきた手。
汚ねえ。
ドゴファ!
腹に一撃。
「ぼぶばああ」
そのまま地面に両膝をついた。
予想通り。
雑魚、手加減する方が難しい位だ。
調子に乗ったゴミ野郎。
だが丁度いい。
知りたいことが山ほどある。
こいつらに聞こう。




