50話 -強気-
「身分証は?」
「無い!」
「強気か!?身分証無いのに強気か!?」
ようやく新しい街についた。
待ち構えていたのは当然のごとく門番の兵士、そして身分証の提示。異世界ファンタジーだ。ベタベタな異世界ファンタジーだ。
「無くしたってのか?」
「記憶喪失だ!」
「強気か!?記憶無いくせに強気か!?」
随分とツッコミんでくる門番だ。しかも声がデカい。こういう時は記憶喪失って言っておけば何とかなるはずだ。多分。
「金はあるのか?犯罪者じゃなければ仮の身分証を作れるが・・」
「金はある!」
「おお!そうか良かった」
「足りるかは知らんがな!」
「強気か!?金足りないかもしれないのに強気か!?」
こいつ、門番よりお笑い芸人になったほうがいいんじゃないのか。ちょっと面白くなってきた。
そう。実は金は持っている。あの盗賊の屑野郎どもから金目のものを引っぺがしてきた。薺が。
ただ、これがどの程度の価値のある貨幣なのかが全く分からない。まあ、足りなかったら足りなかったでまた考えよう。どうにでもなるさ、こっちには勇者がいるんだ。
「身分証、なる早な!」
「強気か!?」
「街を案内してもらおうか!」
「強気か!?」
「お前、声でかい。今後一切喋るなよ!」
「強気か!?」
えーっと、もっといいボケはないか、もっとツッコませたい。
「記憶は無いのに、なんで馬車はあるんだよ」
「これは俺のじゃない。盗賊に殺された商人のだ」
ザワッ
周囲が騒がしくなった。
評価、ブクマ頂ければやる気が出ます。
よろしくお願いします。




