39話 ー急変ー
踏みしめられた道をテクテクと歩く。
「・・・」
体力的には問題ない、食料もある、天気もいい、道も悪くない。
だが、薺は寂しさを感じているようだった。
ただ立ち話をしただけだというのに。たった1時間ほどしか関わっていないというのに。街まであと1日で着くとハッキリわかったというのに。
それなのに薺は寂しそうだった。
賑やかだったのが一気に静かになってしまった。そこは同感。
だが俺は、もともとの人間性ゆえか、悪魔になってしまったゆえか、もっと一緒にいたいとは思わない。思わなかった。
少し不安。
自分は悪魔になって変わってしまったのだろうか。だから寂しさを感じていないのだろうか。これからもっともっと変わってしまうのだろうか。人間らしい感情は消え失せてしまうのだろうか。
少し不安。
「・・」
「また会えるさ」
「・・・」
「ほら、これ使えよ」
女の護衛、モニカからもらった剣を手渡す。
「・・」
「俺は剣なんか使ったことないからな」
差し出した剣に細く白い手が伸び、鞘から一気に引き抜く。
汚れも欠けているところもない。しっかりと手入れされたものだという事がわかる。
薺の威圧感が増した。
多分、悪魔になったせいだと思う。相手の強さが直感で分かる。森でモンスターに襲われた時、起き上がらなかったのは風邪のせいだけではない。
圧倒的に弱者だと直感が知らせたからだ。
「街まであと1日。あと1日すればベッドで寝れるぞ」
「・・・・・・・・・・」
「何って、、えーっと、、、、」
街についたら何をすると聞かれても困る。
街を目指す。それもできるだけデカい街。考えるまでもなく当然のことだと思っていた。
ターザンじゃないから森の中で生きていくという選択肢はない。モンスターがいつ出るかもわからない所でなんか暮らしたくない。衣食住は重要。できるだけ快適に暮らしたい。
しかし、目的というものは考えてなかった。
だが、、、
ここでなにか、カッコいい言葉が必要な気がした。
期間限定とはいえ、一応は主人だ。
主人に足る人物であるという印象を与えたほうがいいだろう。しょうもない奴、器の小さい奴、だとあえて思われる必要はない。
「大魔王になる」
殺
死
圧倒的な気配を感じた。
評価、ブクマ頂ければやる気が出ます。
よろしくお願いします。




