34話 -君と雑談-
「読んだことない!?漫画を?」
「・・・・」
「そりゃあ面白いさ」
「・・・・・」
「ジョジョとか、、」
「・・・・」
「どんな話っていわれても・・・・超能力を持った主人公が活躍する話だな」
「・・・」
「えーと、例えば・・・時を止めたりとか、、」
「・・・」
「そうだ。その能力を使うと時間が止まるんだ。そして、その止まった時間の中を動くことができる・・・そんな感じの能力だ」
「・・」
「そりゃあ強いさ、他の奴らは時間が止まってるってことに気づくこともできない。だから防ぎようがない。最強の能力って言われてるからな」
「・・・・」
「後は、えーっと、人の記憶とか能力を本にして、読んだり書き込んだりできる能力とか」
「・・・」
「漫画も読んだことないってことはお前の家、すんげービンボーだったんだな、、可哀そうに」
「・・」
「えっ、違う?漫画が買えないくらいビンボーだったんじゃないのかよ」
「・・」
「なんだよ、修練って」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「道場?空手か?」
「・・・」
「剣術!!?」
だからか、どうりで強いわけだ。
どうりで躊躇がなかったわけだ。勇者だから戦えるんだ、剣を扱えるんだ、と思っていたが、小さいころからずっとやってたとは。
剣術に関しての知識は全くないが、薺の剣を振るうフォームが美しかった。まるで踊っているかのように見えた。
それはおそらく無駄というものが存在しないから。我流じゃない、幾多の人間が試行錯誤の末に生み出したものの集大成だ。そして、その技術を自分のものにしたという揺るがない自信。それが美しさの要因なんだ。
「嫌いだったのか?」
暗い気持ちが伝わってきた・・・
漫画の話をしている時とはうって変わって、少女の心に暗雲がかかった。
「・・」
「そうか、、、」
「・・・」
「友達と遊ぶ時間もなかったのか?」
「・・」
薺の気持ちはさらに暗く沈んでいく・・・
そのせいでこっちの気持ちまでもが暗くなっていく。互いの精神がつながるという事はこういうことなのか。
まずい、何とか話を変えなければ。ぼっちだったという話題から逃げなくては。
「な、なんか楽しい事とかは無かったのか?」
「・・・」
「犬?」




