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2月12日(早朝)
ここはどこだ。
寒い。それに身体が痛い。
目を開くと、頭上には灰色の空が広がっていた。
これはどういうわけか。無論、僕には薄汚れた路地裏で眠るような趣味はない。ホームをレスした覚えもないし……。
「あ、そうだ」
遅ればせながら、昨夜の記憶が蘇ってくる。
僕の隣には死体。十代の少女。
「女子高生と添い寝」ならラブコメ的だが、「女子高生の死体と添い寝」なら途端にスプラッタである。僕にとって幸運だったのは今がまだ早朝で、死体も僕も発見されていないらしいということだけど。
「とりあえず、帰らないと……」
誰にともなく呟く。少なくともここに残って良いことはない。せいぜいあらぬ疑いをかけられるのが関の山だ。それに僕の記憶が正しければ今日は木曜日、平日だ。
僕は真面目な高校生だから、ちょっと殺されたくらいで学校を休むなんてことはできない。皆勤賞を狙っているからね。