出会い
はじめまして、紫式部です。(*`・ω・)ゞ
ついに恋愛小説が開幕です。
書いていて恥ずかしくなりました、正直。
今後にご期待ください♪
「ゆかりぃ~早くしてよ~!!」
「ごめん、もうちょい待って!」
学校指定の鞄を肩にかけ、青柳ゆかりは階段を駆け降りた。
現在8:05。30分後の登校時間に間に合うだろうか。
玄関を飛び出すと、呆れたような赤坂水鳥の姿があった。
「もぉ、遅いよ!!学校遅刻するでしょ!」
「ごめん…寝坊した…」
混みまくりの新宿行きの電車に乗ると、ゆかりはため息を吐いた。
すると不意に。
背後のサラリーマンらしき男の手が、ゆかりの太ももに触れた。
(やだ、痴漢…!?)
隣にいたはずの水鳥に助けを求めようとしたが、ラッシュの電車に揉まれてまったく動けないようだった。
その時。
「ちょっとすいません。なにやってるんですか。」
青年の声がし、顔をあげるとクラスメートの黒川夕がサラリーマンの手を掴んで立っていた。
「黒川…?」
黒川は、学校のひとつ前の駅でサラリーマンのを下ろし、駅員に説明すると、ゆかりと歩いて学校へ向かった。
「青柳、大丈夫?」
泣きじゃくるゆかりの肩をさすりながら、黒川が優しく言う。
小さく首をふるゆかりに、黒川は「そうだよなあ…」と呟いた。
「ごめん、遅くなって…」
ゆっくりと背をさする黒川の手は、優しかった。
「あのさ、オレ。青柳のこと守るから。だから、泣くなよ…な?」