12話.釣り合わない力
すいませでした
前話から一カ月もあいちゃって、どうにもペンの走りが悪くて別作品ばっかに逃げちゃいました
また更新再開したいと思います
「結局名前を変えただ生まれ変わっただの理由はバツ1を取り消したかったからなんですね」
「どうしてそうなった!」
「でもバツ1なんですよ、その10代の見た目しといてねぇ、未亡人の方が遥かに需要がありますよ」
「うるさいな、バツ1は甘んじて受け入れるよ、ヒナが嫁にいた証明なんだし…………」
自分の過去を語っている時の感情を意識的に整えた時雨ではなく、素の状態での時雨が改めてヒナの死を口にした途端にうろたえた
それは時雨に17年にわたる平和な世界での生活がヒナの死の記憶に気休め程度にしかなっていない事を分からせるには十分だった
「まいったな、忘れるつもりは絶対にないんだが、こうも立ち直れていないなんてな」
ハハハと天井を見上げながら自嘲気味に時雨は呟いた、だがそれでもそれなりに長く生きた経験から一度大きく息を吐き、無理矢理に気持ちを切り替える
「じゃあ本題に移って行こう、まずはそうだな、レシア、お前はヒナ、要するに今の容姿に不満はあるか? まあ今更簡単に容姿を変えられる訳じゃないが謝っておく、すまない」
時雨がベッドの上から降り、体を直角に曲げる勢いで頭を下げた
「産まれたときは親に似ていないと不思議がられたそうですがねぇ、今更そんな事を言われましても………それに自分の容姿に自信を持っていますから、どうです可愛いですよね」
時雨が顔をこちらに向けたのを見計らってレシアがくるりと回ってウインクをして見せる
「滅茶苦茶可愛いな!! …………………」
「…………………」
冗談のつもりが時雨が全力で反応してしまい、気まずさからお互いに沈黙した
「ゴ、ゴホン、本題その2、実は俺の力は封印した状態で人に渡してて、原則長男か長女に受け継がれていく習性があってだな、何代経っても通常なら封印が解けることはないんだがどうしてかレシアの封印が解けかかってる、何か心当たりはあるか?」
レシアは考える事もなく、すぐに思い当たることがあり即答する、というかまた沈黙した空気に戻りたくないがために即答した
「3日前から封印を解くと言われて儀式のような事をされてます」
「3日? やけに時間の掛かってるな」
時雨は不思議には思ったが長い時間の中で方法や何かしらが抜けてしまったのだろうと判断する
「それにしても封印とはそのことだったんですか、あの国王に、君には封印された力がある、なんて言われた日から詐欺られているのかと心配してたんですよ、そして何もなければポイっと捨てられるまでがオチかと」
1人でレシアは安心顔をするが、それに比例するように時雨の顔が困った物になっていく
「安心してるところ悪いんだが、もしその封印を解けば下手するとお前死んじゃうから」
「はい、謝罪」
レシアが真顔で時雨に迫りつつ言う、ただその目は座っていて、眼力だけで万人を気圧すことができそうだった
「こえーよ、えっと、誠に申し訳ありません」
「はい、理由」
「さっきその力が進化にまつわるものだと言っただろ、お前の中にある力はそれのほんの一部なんだがそのせいで進化と適応をしていく力になっているんだ、だがその強制された進化だと滅びへの進化として死へと向かうよう体を造り変えたり、運命を捻じ曲げたりする、更に言うと、というかこっちのほうが可能性としては高いんだが、もし力がお前の心を必要ないと判断したならば、お前の心と人格を消滅させる」
それは聞いたレシアは原因である目の前の男に対してこぶしを握りしめじりじりと接近する、しかしその動きは体の震えを隠そうともしていた
だがそれに申し訳ないと思ってばかりいた時雨は気付けない
「そんな危険なもの人に撒いていたんですか」
まだ言葉は詰まらずに、震えずに出た
「まあそうだな、でも言い訳させてもらうとそのことは後々に判明したというか、一応で付けておいた封印が防止策になってるから大丈夫だったはずなんだ、解除方法だって今のお前がイレギュラーなだけでごく一部の人しか知らないはずなんだ」
「それで私は解除しかけと、で、では前向きな事を聞きます、私は、私は死ぬ以外にはないんですか」
「……………」
レシアの最後の言葉が震えているのを聞いてやっと時雨は己の過ちに気付いた
何故、たかだか16年しか生きていな女の子に死の宣告をして大丈夫だと思ってしまった、何故もっとしっかりとその顔を見てその目に涙がうっすらと溜まっていることに気付けなかった
時雨は思わずに目の前の女の子を抱き寄せた
「うぇ? なにを――――」
「すまんな気がたらなくて、でも大丈夫だ、何があってもお前を死なせてやるかよ」
レシアの頭を撫で、髪を梳きながら言葉を紡いだ
普通なら知り合って間もない男に抱き締められては嫌なはずなのに、でも不思議とレシアは何故かその抱擁に嫌だと思う感情は湧いてこなかった
それどころか湧いた感情は懐かしさと悲しさだった、しかしそれは何故か抱いてはいけない感情と気付かないうちに本能的に判断して時雨を突き飛ばした
そして後になって男に抱き締められたことに顔を赤くしている事を自覚した
「じゃあ結局私は死ななくて済むんですね、いやぁよかったよかった、それじゃあ私はこの後予定があるので」
顔を真っ赤に染め上げたレシアはあまりの羞恥心に時雨の顔を見ることも出来ずに慌てて部屋を駆けだしていった
そして部屋には顔をレシアと同じだけ赤く染め上げた時雨だけになった
時間が空きすぎてうまく書けませんでした
いやぁ、甘ったるい空気って難しい




