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白夜のアラベスク 〜ワガノワ、戦争、そして私たち〜  作者: はまゆう


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登場人物紹介

桜井さくらい まい/16歳/日本


主人公。

日本のバレエ教室でワガノワ・メソッドを学び、その源流を求めて単身サンクトペテルブルクへ。真面目で努力家だが、自分の意見を言うのは少し苦手。日本の先生からもらった「かかと前」のお守りが宝物。初めてのレッスンでクラスノワ先生に「あなたのターンアウトは膝から」と言われ、バレエの基礎をゼロから見つめ直す日々。留学生たちとの出会いを通じて、少しずつ成長していく。


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リン/16歳/ベトナム(ホーチミン)


ベトナムの小さな村から、国の奨学金を得てワガノワに留学。家族は食堂を営み、村中の人々が彼女の成功を願っている。「成功しなければ帰れない」という重圧を胸に、毎朝一番に起きて髪を完璧に結い、誰よりも練習する。物静かで観察力が鋭いが、時折見せる笑顔が可愛い。母が送ってくれたフォーの素が、ホームシックになった時の支え。


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ユナ/16歳/韓国ソウル


母もワガノワの卒業生というバレエ一家に育つ。幼い頃から「母の母校で学べ」と言われ、その期待に応えようと必死だ。明るく社交的でムードメーカーだが、内心では母のプレッシャーに押しつぶされそうになっている。ロシア語の習得が早く、留学生の中では一番の「先輩」的存在。母からもらった古いトゥシューズ(母がワガノワで履いていたもの)を宝物にしている。


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エマ/17歳/アメリカ(ニューヨーク)


ニューヨークのバレエスタジオで育ち、母の勧めでワガノワへ。明るくて話し好き、思ったことはすぐ口にする性格。ロシア語はからっきしで「スパシーバ」さえ最初は「スパゲッティ」と間違えた。でもその失敗を笑い飛ばす明るさが、留学生たちのムードメーカーに。日本の「おにぎり」に憧れて自作するも、なかなか本物にはたどり着けない。弟が二人いる。


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シュエ/16歳/中国(北京)


北京から来た留学生。いつも図書館で一人、バレエ理論の本を読んでいる。クールで無口だが、実は寂しがり屋。幼い頃から仕事ばかりの両親に代わって育ててくれた祖母が、彼女のバレエの原点。プライベートレッスンは受けられないけれど、独学でワガノワに合格した努力家。舞に声をかけられたことで、初めて「仲間」の意味を知る。


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アーニャ/16歳/ウクライナ(キーウ)


キーウ国立バレエ学校からワガノワに交換留学でやってきた。陽気でおしゃべり好き、誰とでもすぐに仲良くなれる。ウクライナ語とロシア語の両方を話し、ロシア人ともウクライナ人とも自然に交流できる稀有な存在。明るい笑顔の裏で、故郷の家族をいつも想っている。春になったら「栗の花がきれいなキーウに遊びにおいで」とみんなを誘う。


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クロエ/16歳/フランス(パリ)


パリ・オペラ座付属バレエ学校からワガノワに1年間の留学中。パリでは「天才少女」と呼ばれていたが、ワガノワの厳しさに最初は戸惑う。おしゃれで自由奔放、よくエマと二人で騒いでいる。でも負けず嫌いで、フランスの誇りを持っている。「パリではね」が口癖だったが、3ヶ月もすると「ワガノワ・メソッド、最高」と言い出す。


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アンナ・ソコロワ/16歳/ロシア(モスクワ)


10歳でワガノワに入学した正統派エリート。父親はボリショイ劇場の元ダンサー、母親もワガノワ卒業生というバレエ一家に育つ。金髪を完璧なシニヨンにまとめ、手足が異常に長い「ワガノワ体型」の完成形。レッスン中は一切の無駄話をしないが、努力する者にはリスペクトを忘れない。無表情に見えて、実は周りをよく見ている。


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カテリーナ・ヴォルコワ/16歳/ロシア(サンクトペテルブルク)


アンナと同じ6年生だが、対照的に貧しい家庭の出身。母親は工場勤務のシングルマザーで、カテリーナの才能だけが希望。奨学金で通い、いつも少し古びたレオタードを着ているが、洗濯は完璧。負けず嫌いで、お金がない分、人より練習する。アンナとは小さい頃からの良きライバル。跳躍力は学年で一番。


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オリガ・ニコラエワ/17歳/ロシア(上級生・7年生)


アンナたちの一つ上の学年。すでにマリインスキー劇場の舞台に立っている将来有望なダンサー。赤毛でそばかすがあり、おっとりした性格。後輩の面倒見が良く、留学生にも優しくロシア語を教えてくれる。天才でありながら努力も人一倍。でもその優しさの裏には「自分はプロになる」という絶対的な自信がある。


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クラスノワ先生/50代/ロシア


ワガノワ・バレエ学校の担任教師。元マリインスキー・バレエのソリスト。白髪交じりの髪をきつく結び、背筋が針のように伸びている。口癖は「ワー・ヌース!」(かかと前!)。厳しいけれど、それは生徒から最高のものを引き出したいから。「スタジオを出れば、普通の人になる」という言葉通り、生徒の体調を気遣う優しさも持つ。若い頃、日本に公演で訪れたことがある。


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マリーナさん/58歳/ロシア


ワガノワのスタジオ・ピアニスト。銀色の混じったショートヘアに、落ち着いた色のカーディガンがトレードマーク。元マリインスキー劇場の伴奏ピアニストで、30年以上ワガノワでバレエクラスの伴奏をしている。口数は少ないが、ピアノで全てを語る。一人暮らしで、ロシアンブルーの猫「ムーシカ」を飼っている。生徒たちの練習に付き合い、音楽で導く優しい存在。


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ムーシカ/年齢不詳/ロシアンブルー


マリーナさんの愛猫。銀色の長い毛で、目がくりっとしている。写真でしか登場しないが、マリーナさんの会話に度々登場する。「マリーナさんが遅いとご飯を食べない」という頑固な性格らしい。いずれ物語に直接登場する日が来るかもしれない。



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